掃除、洗濯、料理から、時には子どもの世話までを行うサービス、家事代行と家政婦。どちらも同じような内容のサービスですが、大きな違いは、家事代行は法人と契約、家政婦は個人と契約という点です。細かな違い、メリット・デメリットについて紹介します。
家事代行と家政婦とは?
そもそもどんなサービスなの?
家事代行も家政婦も、掃除、洗濯、料理、買い物や役所の手続き代行など、一般的な家事を専門のスタッフが代わって行うサービスです。最近では、介護ヘルパーによるお年寄りの見守りサービス等を行う家事代行サービスもあったりしますが、プロが清掃作業を行うハウスクリーニングなどとは違い、あくまで一般家庭にある洗剤や掃除機を使ったり、家庭にある食材や調味料等を使って家事をしてくれるものです。つまり、サービス内容という意味では家事代行と家政婦では大きな違いはないのです。
家事のアウトソーシング!
家事代行、家政婦の違いとは?
家事代行と家政婦のもっとも大きな違いは、利用者が「法人と契約」するか「個人と契約」するかという点です。
家事代行は法人との契約
家事代行は企業(法人)との契約です。さまざまな企業がサービスを提供しているため、企業ごとの特色があり、料金やサービス内容もそれぞれ異なります。家事代行は長期の契約だけでなく、スポット利用といって単発で一度だけの利用やお試しの利用等ができます。他にも「お友達紹介」や「〇〇地方の食材を使った料理で家事代行」のようなキャンペーンも頻繁に行っているため、利用時期によってはお得感も味わえますね!
家政婦は個人との契約
家政婦は個人との契約になるため、できる仕事の内容や質は個人の技量に左右されるところもあります。家政婦紹介所などから紹介を受けると、利用者と家政婦の間で契約するため、家事代行と比べて料金がリーズナブルなことが多いです。それに、月ごとの契約であることが多いため、週によって曜日を変えるなど柔軟に利用できること、掃除箇所や要件の増加などで時間が延長しても追加料金が発生しない可能性が高いこともポイントですね!
家事代行、家政婦のメリット・デメリットについて
それぞれのメリット、デメリットを表でまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
家政婦 | 月契約であるため、時間の延長や仕事量の増加によって料金が変動することが少ない | 個人の技量によって行える家事、仕事の質が左右される |
家事代行 | 企業によるサービスなので、トラブルがあった場合、対応がスムーズ | 一度に対応できる家事が限定的であることが多い |
家政婦の場合は、万が一、事故や破損などのトラブル起きた場合は、個人との契約なので責任を取り切れない場合があるところは注意しておきましょう。家事代行は企業と契約するため、トラブルがあった場合でも企業が間に入ることや保証がある安心感はあります。
家政婦は月ごとの契約のことが多いため、家事の延長等で料金が加算されないこともあります。家事代行の場合は、契約によって「ここまでしかできない」といった限定的な契約である企業もあります。
どちらも法人ならでは、個人ならではのメリット、デメリットがあるということなんですね!
時間を買う! 家事代行、家政婦に依頼する
そもそものメリットとは?
ここまで、家事代行と家政婦の違い、メリットとデメリットについてご紹介しました。そもそも家事をアウトソーシングする一番のメリットはどんなものでしょう。利用する世帯別のメリットは次のとおりです。
<共働き家庭でのメリット>
●家族との時間がつくれる
●自分の時間がつくれる
最近は共働き世帯が多いため、仕事から帰って食事を作る、週末にまとめて掃除や洗濯をするといった家庭も多いもの。家事を代行してもらうことで家族との時間や、自分の自由な時間をつくれます。
つまり、「時間を買える」ことが大きなメリットでしょう。その結果、家事に追われる生活から解放されて心にゆとりができたり、家族で旅行に行くなど団らんの時間が増えることにもつながります。
<高齢者のメリット>
●体をいたわれる
●見守りサービス等を利用できる
体が思うように動かなくなってきた高齢者や、高齢の両親向けの子どもからのプレゼントとして「労力を買う」という利用者が多いといいます。
企業によっては、介護ヘルパー資格保持者による見守りサービスがあったり、家事を代行しながら利用者と会話をすることもあるため、一人暮らしの高齢者の利用は年々増えてきているといいます。
いずれにせよ、結果的には精神的な面や気持ちの上での満足度につながることがとても大きいことが分かります。
家事代行って利用者の好みや
希望は聞いてくれるの?
掃除の仕方というのは、その家庭や人によって違うもの。「全体をまんべんなく」や「細かいところまで丁寧に」など、要望は利用者によってさまざまです。料理の味付けも同様に細かな好みがありますよね。
家政婦なら、長期で個人と契約することが多いため、当然のことながら利用者の好みもきちんと把握します。
家事代行も、企業にもよるのですが契約前に「お試し利用」をしたり、し好や要望、食事のアレルギーの有無などについての細かなヒアリングを受けてから契約することができます。企業にもよりますが、長期契約の場合には常に同じスタッフが訪問し、その家庭に合ったサービスをきめ細かくカスタマイズできるところも多いです
知るほど利用してみたくなる
家事代行サービスのすごいところ
近年、家政婦は減少傾向にあり、家事代行の方が利用しやすい身近なサービスとなってきているといえます。今から利用するなら家事代行の方が現実的といえるのではないでしょうか。そこで、家事代行のいいところもおさらいしておきましょう。
家事代行サービスを利用したことがない方にとっては「家事代行サービスは自由度低く、どの家庭にも同じサービスしかしないのでは」といったイメージがあるかもしれません。ところが、実際はその家庭に合わせた掃除の仕方、料理の味付け、子どものお迎え、ペットの散歩……利用する曜日や頻度も要望に合わせて選ぶことができ、利用者の生活に合った柔軟性のある契約ができるでしょう。
家事代行スタッフは研修を受けてから訪問する
家政婦の場合は個人の裁量によって仕事の出来不出来に差が出たり、やっていくうちにだんだん「自己流」になってしまうことがあります。
一方、家事代行では、利用者の家に初めて訪問する家事代行スタッフは研修を受けなければならず、基準をクリアしてから利用者の元へ配属されるため、個人によって大きな差ができにくいといえます。配属後にも仕事の質が保たれるよう、定期的な研修制度を設けている企業もあるそうです。
欧米ではごく一般的なサービスといえる家事代行ですが、日本ではまだ定着しているとは言いがたいのが現状です。それは家事をアウトソーシングすることが「家事をさぼる」と捉えられてしまい、利用する側が罪悪感を感じてしまうことにあるのかもしれません。
家族との時間や自分の自由時間を作ることで、ストレスから解放されたり、より生活を楽しむことができるなら「お惣菜を買う」「フードデリバリ―を利用する」と同じような感覚で利用してみるのもいいのかもしれませんね。
お話をうかがった方
東急ベル家事代行プランナー
小林祐子さん