玉ねぎの2つの栄養で血液がサラサラに!玉ねぎに秘められた効果とは

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2019.02.04
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玉ねぎの栄養成分・効能をご存知ですか。「血液をサラサラにする」ことはよく知られていますが、その他にも体を健やかに保つさまざまなはたらきがあります。健康にどのような効果があるのでしょう。玉ねぎを使ったドレッシングを製造し、レストラン事業を展開しているピエトロのメニュー・レシピ開発担当 奥多佐知子さんに、玉ねぎが持つ栄養と効率的に摂取する方法をうかがいました。

玉ねぎの注目すべき
効果を発揮する2つの栄養成分!

家庭の常備野菜として欠かせない玉ねぎ。実は、他の緑黄色野菜に多く含まれているビタミンやミネラルといった栄養成分は、それほど多くありません。しかし、他の食品にはあまり含まれていない成分があります。それはこの2つ。

・硫化アリル
・ケルセチン


以下では、これらの栄養成分と、そのはたらきについて紹介していきます。

玉ねぎの栄養成分
1. 硫化アリル(血液サラサラ効果・ビタミンB1吸収)

硫化アリル

玉ねぎを包丁で切った時、目にしみて涙が出てきますよね。生で食べた時にも独特な辛みを感じます。これは「硫化アリル」という成分によるものです。
硫化アリルには「血液をサラサラにする」作用に加えて、「ビタミンB1の吸収を促す」という機能があることが分かってきました。

・血液をサラサラにする
硫化アリルは、血液をサラサラにする効果や、血管の詰まりの元となる血栓を溶かすはたらきがあり、動脈硬化を予防できると言われています。さらに、血糖値や中性脂肪、悪玉コレステロールの値を下げる効果があるので、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも効果的なようです。

・ビタミンB1の吸収を促す
もう1つ、硫化アリルには、ビタミンB1の吸収を促す効果があります。豚肉などに多く含まれるビタミンB1には疲労回復、不眠やストレスを解消する効果が期待できます。つまり、ビタミンB1を多く含む肉類や、イクラやすじこ、たらこといった魚卵、レバーなどと一緒に食べることで、ビタミンB1の栄養分を効率的に摂取できるのです。

玉ねぎの栄養成分
2. ケルセチン(ダイエット、生活習慣病の予防)

ケルセチンは身近な野菜に含まれているポリフェノールの一種で、抗酸化作用があると一般的には言われています。これも硫化アリル同様、血液をサラサラにする効果があるとされています。
ケルセチンには活性酸素の影響を抑えるはたらきがあります。活性酸素とは、年齢を重ねるに従って体内に増加し、細胞にダメージを与えると言われている物質です。

■ 脂肪を燃焼させる
ケルセチンには体内脂肪の燃焼を促進するはたらきがあるため、ダイエットによいと言われています。

■ デトックスやアンチエイジングに効果
抗酸化作用によって細胞の老化を防ぎ、デトックスやアンチエイジングにもつながる可能性があります。

■ 風邪やがん、生活習慣病の予防
ケルセチンが持つ抗酸化作用により体の免疫力が高まるため、風邪やがんの予防を期待できます。また、動脈硬化や心筋梗塞、高血圧、糖尿病といった生活習慣病の予防にも効果があると言われています。

玉ねぎの栄養を上手に摂取する方法

玉ねぎの栄養を上手に摂取する方法

こうした玉ねぎの栄養は、空気や熱、その他の物質と反応して何十種類もの物質に変化すると言われます。その変化した物質にも血液をサラサラにしたり、血栓を溶かす効果があるので、こうした体によい栄養素を上手に取り入れる調理方法を紹介します。

■ スープにして摂取する
玉ねぎの辛み成分である硫化アリルやケルセチンは、水に溶ける性質があります。玉ねぎを切る前に洗うことで、栄養分が水に流れ出てしまうことなく利用できます。スープなど、煮汁ごと食べる料理なら、煮込んで水分に溶け出した栄養も一緒に摂取できます。

■ 水にさらす場合は繊維を切るようにスライス
玉ねぎを生で食べる場合は、辛みを取るために水にさらす時間をできるだけ短くするのが、栄養を逃さないポイントです。玉ねぎに縦に入っている繊維を横に断ち切るようにスライスすると、早く辛みが抜けるので水にさらす時間が短縮できます。

■ 油で炒める・肉と一緒に調理する
ケルセチンは油と一緒に摂取すると吸収率が高まるので、炒めたり、お肉と一緒に調理するのがおすすめです。

■ 外皮をお茶にして飲む
ケルセチンは、実は普段は捨てている玉ねぎの茶色い外皮に多く含まれています。外皮のうちきれいなものを選別して水で洗い、乾燥させることで「オニオンティー」にすることもできます。においが気になる方は、ローズヒップやレモングラスなどのハーブや、シナモンなどの香辛料を好みで加えると、さらに飲みやすくなります。

玉ねぎの栄養がしっかり取れるレシピ3選

こうしたさまざまな特性を生かして、玉ねぎの栄養を効率的に摂取できるレシピを3つご紹介していきましょう。

<丸ごと玉ねぎのコクうま煮>

丸ごと玉ねぎのコクうま煮

ラップに包んでレンジで丸ごと加熱するうえ、豚肉と一緒に食べることで、栄養を逃さず摂取できます。

【材料(2人分)】
玉ねぎ小玉2個
豚ばら肉(スライス)180g
万能ねぎ適量
ピエトロドレッシング 焙煎香りごま大さじ5
◇作り方
1.玉ねぎは皮をむき、ヘタを切り、半分の深さまで十字に切り目を入れてラップに包み、レンジで6分加熱します。
2.豚ばら肉は食べやすい大きさに切り、フライパンで炒めます。余分な油を取り除いたら1を入れ、ピエトロドレッシング焙煎香りごまを加えて落しぶたをして10分煮ます。
3.皿に盛りつけて、刻んだ万能ねぎを散らしてできあがり!

<牛肉と玉ねぎのごちそうサラダ>

牛肉と玉ねぎのごちそうサラダ

香ばしく炒めた牛肉に、たっぷりの玉ねぎを加えてドレッシングのほどよい酸味でさっぱりといただける一皿です。油で炒めることで、ケルセチンの吸収率が高まります。

【材料(2人分)】
牛肉(焼肉用)100g
玉ねぎ1/2個
塩・こしょう少々
ピエトロドレッシング和風しょうゆ(ピエトロドレッシング グリーン、ピエトロ和風ノンオイルレモンでも◎)大さじ3
◇作り方
1.牛肉は塩・こしょうをして、フライパンで焼く。
2.薄切りにした玉ねぎを加え、さっと炒める。
3.好みのドレッシングを加え、味付ける。

<生じゃがサラダ>

生じゃがサラダ

じゃがいもと玉ねぎを生で食べるレシピ。じゃがいもは加熱して食べることが多いのですが、実は生食できます。煮たりゆでたりすることで失われるビタミンやミネラルなどの栄養成分を、シャキシャキの歯ごたえと共にいただきます。

【材料(2人分)】
グリーンカール(なければレタス)5~6枚
玉ねぎ中1個
じゃがいも中1個
ミニトマト2個
ゆで卵1個
ツナ缶詰30g
ピエトロドレッシング和風しょうゆ(ピエトロドレッシンググリーンでも◎)大さじ2
◇作り方
1.玉ねぎは縦半分に切り、繊維を切るように薄くスライスして流水にさっとさらす。
2.じゃがいもは千切りにして水にさらし、ゆで卵とミニトマトは、くし形に4等分しておく。
3.食べやすい大きさにちぎったグリーンカールの上に具材をバランスよく盛りつけ、ドレッシングをかけてできあがり。

玉ねぎは栄養があるものの食べ過ぎには注意

玉ねぎやニンニクなどに含まれるアリシンには殺菌効果がありますが、生食には注意が必要です。生で大量に食べると胃痛、胸やけ、下痢などの症状が出ることも。
生で玉ねぎを食べる場合、成人の一日の適量はおよそ1/4個程度、子どもはその半分程度と考えていいでしょう。
また、ご存知の通り、生の玉ねぎは口臭や体臭が強くなるので、人と会う前にも気をつけた方がいいですね。

玉ねぎの栄養を上手に摂取して健康になろう!

玉ねぎは調理方法で食感や味に変化をつけやすいので使い勝手が良く、料理のレパートリーも広がる便利な食材です。血液をサラサラにする以外にも、生活習慣病の予防や脂肪の燃焼を促進するなど、さまざまな効能があることが分かっています。硫化アリルは水に溶けたり、加熱で成分が変化するため、上手に調理して玉ねぎが持つ健康効果をしっかり取り入れたいですね。

お話をうかがった方

奥多 佐知子さん

株式会社ピエトロ
アンテナショップ「ピエトロドレッシング」
メニュー・レシピ開発担当
元気・美活プランナー
奥多 佐知子

素材を知り尽くした、元気・美活プランナーがレシピをプロデュース。『つくる楽しみ』『食べる楽しみ』を皆様の食卓に提案している。
https://www.pietro.co.jp/restaurant/detail/39

 

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