抗酸化物質にはいくつか種類がありますが、今回抗酸化ビタミンと言われるビタミンA、 C、 Eについて紹介します。3つをつなげて書くとACE(エース)になるので、抗酸化のエース・ビタミンと呼ばれることもあります。今回はビタミンA・C・Eのそれぞれの特徴と効率良く摂取する方法をご紹介します。
- [ 目次 ]
- ビタミンA・C・Eの特徴
- ビタミンA・C・Eが含まれている食材と効率良い食べ方
- – 1.ビタミンA
- – 2.ビタミンC
- – 3.ビタミンE
ビタミンA・C・Eの特徴
[ ビタミンA ]
ビタミンAは、レバーやホタルイカなどに多く含まれています。また緑黄色野菜(ニンジン、ほうれん草やかぼちゃなど)に豊富なカロテノイドは、体内でビタミンAに変わります。そのため、これら野菜類は積極的に摂りたい食材です。
[ ビタミンC ]
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。特にピーマンや唐辛子、キャベツ、レモンなどの柑橘類などに豊富です。
ビタミンCは水溶性なので加熱調理をすると煮汁などに溶け出してしまいます。煮汁も残さず食べられる料理がオススメです
[ ビタミンE ]
ビタミンEはいくらやすじこといった魚卵、アーモンドなど種実類、オリーブオイルなど油脂類に多く含まれます。脂溶性のビタミンで、細胞膜の酸化を防ぐ重要な役割があります。
これらのビタミンA・C・Eはそれぞれ単独でも抗酸化作用があるのですが、組み合わせると更に抗酸化力が高まるという特徴があります。特にビタミンCとビタミンEの相乗効果は高く、酸化されてしまったビタミンEをビタミンCが再生してくれます。
ビタミンA・C・Eが含まれている食材と
効率良い食べ方
[ ビタミンA ]
皮膚や粘膜の新陳代謝を促進する働きがあり、美肌を保つためには大切な栄養素です。また、粘膜を強化することで、ウイルス等に対する防御力・免疫力を高めることができ、インフルエンザや風邪の予防にも効果的。また、目を健康に保つ栄養素でもあります。
ビタミンAが多く含まれている主な食品
〈野菜類〉人参・モロヘイヤ・南瓜・明日葉・ほうれん草・豆苗・春菊・大根の葉
〈魚介類〉あんこうの肝・うなぎ・銀だら・ほたるいか
〈肉類〉レバー
効率よく摂る食べ方
ビタミンAは、油と一緒に摂ると吸収率がアップします。緑黄色野菜は油で炒めるといった調理法が良いでしょう。和え物にするときは、油分の多い胡麻やピーナッツと和えるのがおすすめです。オリーブオイルや亜麻仁油、えごま油などの良質な油を使って、にんじんサラダにすると効率よくビタミンAを摂取できます。
[ ビタミンC ]
ビタミンCはコラーゲンの生成に必要なビタミンです。血管や皮膚、筋肉などを作っています。不足すると免疫力が低下して、病気にかかりやすくなります。特に、風邪を引いている間は消耗が激しいため、多めにとるようにしましょう。
ビタミンCが多く含まれている主な食品
〈野菜類〉赤ピーマン・黄ピーマン・芽キャベツ・ブロッコリー・カリフラワー・菜の花・かぶの葉・ゴーヤ
〈イモ類〉じゃがいも
〈果物〉甘柿・キウイフルーツ・いちご・ネーブルオレンジ
〈飲料〉アセロラジュース・グレープフルーツジュース
効率よく摂る食べ方
加熱しすぎない
熱に破壊されやすい性質があるため、加熱のしすぎに気をつけましょう。
水さらしは最小限に
水に溶けやすい性質であるため、野菜等を水にさらしたままにするのはNG。ビタミンCが水に流出してしまいます。逆に天ぷらのように油で短時間に料理したものは、比較的損失が少ないです。水さらしをするときは最小限にしましょう。
新鮮なものを使う
ビタミンCは貯蔵中に段々と失われていきます。葉物野菜や果物は冷蔵庫で保管し、新鮮なうちになるべく早く食べましょう。
こまめに摂る
1日で大量に摂ると、吸収率が低下します。また吸収されたビタミンCも、体内が飽和状態になると尿中に排泄されます。1日・1食で集中的に摂取するよりも、毎日何食かに分けて摂取するほうが効率よく摂取することができます。
[ ビタミンE ]
抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防ぐため、老化防止の効果があります。白血球やリンパ球の働きをよくし、免疫力を高めます。さらには、紫外線による害から肌を守る働きがあり、シミやそばかすにも効果的です
ビタミンAが多く含まれている主な食品
〈野菜類〉モロヘイヤ・南瓜・赤ピーマン・菜の花
〈種実類〉アーモンド・松の実・落花生・ヒマワリの種
〈魚介類〉うなぎ・サーモン・ツナ缶・すじこ
効率よく摂る食べ方
ビタミンCと一緒に摂る
ビタミンEは、ビタミンCと一緒に摂取することで、抗酸化作用が高まります。
油で調理する
ビタミンAと同様に、油との相性が抜群でよく溶け合います。炒め物や揚げ物など油を使った料理がお勧め。ひまわり油や紅花油、米ぬか油などの植物油にはビタミンEが多く含まれているので、このような油自体からもビタミンEを多く摂取できます。
乳脂質と一緒にとる
ビタミンE・乳脂質は共に脂質であり結合しやすく、乳脂質は粒子が小さいので結合により、ビタミンEの体内への吸収もよくなります。
れぞれのビタミンを効率良く摂り、かつそれぞれのビタミン単独で摂るよりも、一緒に摂ることで効果が高まります。しっかり食べて風邪をひかない体をつくりましょう。
お話をうかがった方
メディカルフードサービス株式会社
管理栄養士
前島 由貴さん