プラスアロマ協会代表理事・齋藤智子さんに聞いた!
アロマの意外な効果とおすすめ5つ

BEAUTY & HEALTHY

2017.01.30
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良い香りに不快な匂い、嗅ぐたびに「昔、○○で嗅いだ匂いだ!」と何かを思い出させる匂い…。私たちは日々、さまざまな匂いに接しながら暮らしています。人が一週間のうちに接する匂いはなんと2~3,000種類とも言われており、その中にはリラックスや免疫力の向上などの作用があるとされているものも。人間とアロマの付き合いは、古代エジプトまでさかのぼる奥深いもの。そんなアロマにまつわるお話を、アロマ調香デザイナーの齋藤さんにうかがいました。

アロマ調香デザイナー
齋藤 智子さん

殺菌、抗うつ、血行改善… さまざまに広がるアロマの利用法

「日本でいわゆる“アロマ”が広まったのは、1990年代のこと。ヨーロッパをはじめ海外ではそれ以前からリラックスや美容にはもちろん、フランスやドイツなどでは医療行為の一種としてアロマは用いられてきました」と語る齋藤さん。日本にアロマが取り入れられたのはイギリス経由と言われており、イギリスではアロマはリラックスや美容に利用されていたため、日本でのアロマの活用方法もリラックスや美容面がメインになっているそうです。ところが近年は、日本でもアロマに関する研究が進み、殺菌作用や抗うつ作用、血流の活性化などの作用があることが医学的にも知られるようになったことで利用シーンが広まっています。

嗅ぐだけじゃない “アロマ”を体に取り入れる3つの方法

そもそもアロマはどのようなルートで人に体に作用するのか。それには主に3つの方法があります。

1. 嗅覚を通じて

最も一般的なアロマの利用方法といえば“嗅ぐ”。匂いの情報は0.2秒で自律神経などを司る大脳に到達するため、「神経を落ち着かせる」「血流を促進させる」といった働きを持つ成分がダイレクトに体に伝わるのです。

2. 皮膚から

アロマオイルを使ったマッサージには、香りそのものによるリラックスだけではなく、皮膚からアロマの持つ成分を取り入れる働きが。皮膚から取り入れられたアロマの成分は、血流に乗って全身に行き渡ります。

3. 呼吸から

クレンジング剤とメイクを一体化させます。皮膚を擦ったり引っ張ったりしないよう、円を描くように指を動かします。

4. ふき取/流す

肺は、呼吸を通じて全身に酸素を送る役割をしています。人の体に効果をもたらすアロマの成分も、呼吸によって体に取り入れられ、酸素とともに体中に。アロマを霧状にして楽しむディヒューザーなどは呼吸からの効果も見込めます。

香り”を持つグッズは、日々の暮らしの中でも取り入れやすく雑貨屋やドラッグストアなどでも簡単に入手できますが、その分数が多すぎてどれを揃えれば良いかわからない」という人も多いのでは。「アロマは、キャンドルや芳香剤など山ほどグッズがありますが、オススメしたいのは天然の植物から蒸留したアロマオイル(精油)です。アロマを楽しむための専用の器具もありますが、ティッシュなどに数滴たらしてお部屋に置いておくだけでも大丈夫です」。芳香剤など合成された香りはアロマが本来持つ成分とは異なります。とはいえ、アロマオイルも香りの種類は膨大!そこで、齋藤さんに「これだけは揃えておきたい」というアロマオイルを教えてもらいました。

1. ラベンダー

ラベンダーのアロマは、いわば万能選手。鎮静、殺菌・消毒、肌のターンオーバーなどの作用が。オイルのブランドによって香りが違うのも楽しいので比べてみて。

2. オレンジ

気持ちを明るくさせる効果があるオレンジのアロマ。万人受けする香りなので、「このアロマの作用は欲しいけれど匂いが苦手」というときにブレンドしてみるのもオススメ。

3.ティーツリー

インフルエンザウィルスにも効くほどの強い殺菌作用のあるアロマ。齋藤さんのご家庭ではうがいをする際に水にティーツリーのオイルを数滴たらして利用しているそうです。

4. ユーカリ

コアラの好物として知られるユーカリにもアロマのちからが。鼻などの呼吸器系の働きを助ける作用があり、痰を除去する働きもあります。

5. フランキンセンス

咳を鎮めるなどの呼吸器系の働きを助ける作用があるほか、鎮静・不安を取り除く働きも。イライラや不安があるときに試してみては。

アロマの持つ力は多種多様ですが、一番大切なのは「自分が心地良い」と思える香りを見つけること。作用ばかりにとらわれ、好みではない香りに包まれているとかえってストレスも溜まるかも。まずは基本の5種類から自分の好みの香りを見つけるなど、アロマのある暮らしを楽しんでみてはいかがでしょう。

[お話しを伺った方]

齋藤 智子(さいとう・ともこ)
アロマ調香デザイナー、一般社団法人プラスアロマ協会代表理事。父親が京都出身だったため、幼い頃からお香などに親しむ。一般企業での勤務経験を経てアロマの道へ。現在、アロマ調香デザイナーとして活躍。アトリエでアロマに関する講座を開催するほか、イベントや施設などで用いられる香りのデザインなども手掛ける。

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