ネギの栄養の主な効能5つ!ネギで風邪予防 体の内側から健康に

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2019.02.11
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ネギはとても栄養価が高い野菜だと知っていますか。昔は病気を治す効能があるとも信じられていたほどです。しかし、ネギの具体的な栄養価や効能がどのようなものか知らない方も多いのでは。今回はネギの効能とレシピをご紹介します。

ネギの主な栄養成分5つを解説

実はネギには栄養豊富で健康によいとされる成分がたくさん含まれています。では、ネギにはどんな栄養成分が含まれているのでしょうか。まずは、主な栄養成分と効能をご紹介します。


[ アリシン ]
硫化アリルとも呼ばれるイオウ化合物の一種でネギの独特な辛味や臭いのもととなる成分です。血液循環をよくし、身体を温めたり、発汗を促進したりします。また、血糖値の上昇を抑え、生活習慣病の予防もしてくれます。食欲を増進させ、胃液の分泌を促したり、ビタミンB1の吸収を助けるはたらきもします。

[ ビタミンC ]
抗酸化作用という余分な活性酸素を抑える役割を果たします。また、コラーゲンの生成にも必要な成分なので、アンチエイジングに効果的です。他にも、鉄の吸収を高める、メラニンの生成を抑制する、抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促進するなどの効果があります。

[ βカロテン ]
ネギの青い部分に多く含まれています。体内でビタミンAに変換されて、皮ふや粘膜を保護するはたらきを持っています。こちらも、強い抗酸化作用を持っていて、アンチエイジングに重要な皮ふや髪などを健康に保つ効果があります。視力を維持する効果があるともいわれ、目の疲れやドライアイ予防にもよいとされています。

[ カルシウム ]
歯や骨を形成するカルシウムが不足すると、骨粗しょう症になったり、肩こりや腰痛を引き起こしたりすることも。精神の安定のためにも必要で、カルシウム不足になるとイライラするとも言われています。また、規則的に心臓を動かすために必要な成分でもあります。

[ ネギオール ]
ネギの白い部分に多く含まれる特有の成分。殺菌作用があり、菌やウイルスのはたらきを抑制する効果があるといわれています。発汗や解熱などの作用もあるので、風邪を引いたときには特に摂取したいですね。

栄養満点なネギが持つ、健康を保つ5つの効能!

ネギに含まれるさまざまな栄養素。では、その具体的効能とはどんなものなのでしょう。

1. 風邪予防
ネギに含まれるネギオールやアリシンには殺菌作用があるとされ、さらに血のめぐりをよくする効果で代謝や発汗を促します。体温の上昇効果も期待できるため、免疫力のアップにも効果的。その上、ビタミン類も豊富なため、風邪の予防にも、引いてしまった風邪を治す手助けにもなりそうです。

2. 疲労回復
ビタミンCの抗酸化作用が疲労回復につながります。アリシンにも疲労回復や血流を促す効果、そして、ビタミンB1の吸収を助けるはたらきがあります。ネギとビタミンB1が豊富な豚肉などを一緒に食べることで、より疲労回復効果がアップします。

3. 生活習慣病の予防
アリシンには他にも血糖値の上昇、血中脂肪の燃焼促進、コレステロール値を抑制するなどのはたらきがあります。また、血液サラサラ効果で血栓や動脈硬化も防ぐため、生活習慣病の予防にもつながります。それに加えて、ビタミンCの抗酸化作用が動脈硬化や高血圧を予防します。

4. 美容効果
ビタミンAには肌の代謝を高め、肌荒れを防止したり、粘膜の機能を保護し、正常に保ったりする効果あります。ネギに含まれるβカロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるんです。他にも、ビタミンCがメラニンの生成を抑えるためシミ予防効果や、食物繊維やアリシンの血行促進効果で美肌が期待できますね。

5. 発がん抑制
アリシンには生活習慣病の予防の他にも、がんの予防にも効果が期待されています。また、ネギの青い部分の裏側に含まれるドロッとした粘液には発がん抑制があるともいわれています。

白ネギと青ネギで栄養成分が変わる?

ネギは地中に埋まっている部分が多いほど白くなります。長ネギなどの白い部分が多いネギはネギオールが多く含まれています。一方、青い部分が多い万能ネギ等は、日に当たる環境で育ちます。緑黄色野菜に分類され、βカロテンや、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルが豊富に含まれているんです。

■ 白い部分が多いネギはビタミンCとアリシンが豊富
白ネギは淡色野菜に分類されます。ビタミンCが豊富に含まれていて、ネギオールやアリシンも豊富に含まれています。高血圧や糖尿病といった生活習慣病の予防をしたい人に特におすすめです。

■ 青い部分が多いネギはカルシウム・βカロテンが豊富
万能ネギを代表する青ネギは、緑黄色野菜に分類されます。βカロテンに代表されるビタミン類をバランスよく含んでいて、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄分といったミネラルが豊富なのも特徴です。薬味などで上手に取りたいですね。

栄養満点のネギでも食べ過ぎには注意!

アリシンやネギオールなどネギには嬉しい栄養価が豊富です。だからといって食べ過ぎには注意が必要です。

■ 胃腸障害
ネギに含まれるアリシンなどの成分が胃液の分泌を促すため、胃酸過多のような症状になることも。普通の健康状態の人であれば、生の状態で一度にネギだけを大量に食べるなど、極端な食べ方をしなければ大丈夫です。

■ 口臭や体臭の悪化
ニラやにんにく、玉ねぎに含まれるアリシンは口臭や体臭のもとになります。食べ過ぎると口臭のもとになることもあります。ただ、毎食大量に摂取しない限りは体臭の変化を招くほどにはならないので、通常の範囲で食べる分には気にしなくても大丈夫でしょう。

ネギの栄養を逃さない!
賢い調理法で健康効果がアップ

ネギの栄養成分の多くは、熱によって効果が低くなります。ただ、ネギ加熱しないとたくさん食べることは難しいですよね。加熱しても、全くなくなってしまうわけではありませんが、下記のポイントを押さえて、栄養成分の流出を防ぎましょう。

■ 切り口が乾かないうちに食べる
ねぎの辛味成分は切った直後が強いです。切り口が乾いてしまうと、効能は少し弱まってしまいます。

■ 水にあまりさらさない
水に長時間さらすとアリシンやビタミンが溶け出してしまうこともあります。

■ 油で調理
加熱に弱いアリシンですが、油で炒めた場合は他の調理法より残りやすいです。たくさん食べたいときには、おすすめの調理法です。

疲労回復や美容におすすめネギレシピ2つ

ここで、疲労回復や美容を気遣う方におすすめの、ネギレシピを紹介します。

ネギだく豚肉の照り焼き風

【材料】
長ネギ約10㎝(白髪ネギにする)
豚肉薄切り100g(ロースやももなど)
片栗粉 適量
鷹のツメ 適量(輪切り)

【タレ】
●しょうゆ 大さじ1 1/2
●酒 大さじ1 1/2
●みりん 大さじ1 1/2
●砂糖(お好みで小さじ1程度)
●水 大さじ1

◇作り方
1.●の材料はあらかじめ混ぜておく。ネギは白髪ネギに、豚肉を食べやすい大きさに切り、ビニール袋の中に入れ、片栗粉をまぶす。
2.フライパンに少し多めに油をひき、豚肉を1枚1枚広げながら揚げ焼きにする。焼けたら一度フライパンから取り出す。
3.フライパンに残った余分な油を拭き取り、●を入れて煮立たせる。油を切った豚肉をフライパンに戻してタレをからめたら、お皿に盛り付け、白髪ネギとタカのツメを乗せてできあがり。

ネギも野菜もたっぷり鍋

【材料】
長ネギ1/2本
豚肉400~500g
白菜3~4枚
にんじん3~5㎝
しいたけ4枚
(しめじや水菜などお好みの野菜を追加してもOK)
水 5カップ
鶏ガラスープの素 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
塩 小さじ1

◇作り方
1.鍋にすべての材料を入れて煮込む。
2.スープはねりごまとごま、豆乳を入れればゴマ豆乳鍋に。塩の代わりにキムチを入れてキムチチゲ鍋風に。美容効果や体温め効果がアップします。

栄養満点なネギの効能で風邪を撃退しよう!

昔から、ネギは風邪を引いたときに首に巻いたりするなど民間療法にも使われていたように、栄養がたっぷりです。風邪予防だけでなく、疲労回復など身体を元気にしてくれる効果もあります。ネギはどんな料理にも使いやすいのも魅力の一つ。献立に少しずつ加えてみてはいかがでしょうか。

お話をうかがった方

圓尾和紀さん

圓尾和紀さん
管理栄養士
一般社団法人分子整合医学美容食育協会 プロフェッショナル・ファスティングマイスター
同 中目黒支部支部長

古くて新しい和ごはんの考え方を伝えるフリーランス管理栄養士。神戸出身。趣味は落語鑑賞。ワニブックスより『一日の終わりに地味だけどホッとする食べ方』発売中?
管理栄養士 圓尾和紀の「カラダヨロコブログ」
http://karada465b.minibird.jp/
Twitter 管理栄養士◆圓尾和紀
https://twitter.com/blk_sheep

 

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