感染症予防には腸内環境を整えることが大切であることは、最近広く知られるようになってきました。腸内環境を整えるのに最適な「納豆」。納豆と相性の良い食材・悪い食材について紹介します。
腸内環境を整えて感染症予防
感染症予防には腸内環境を整えることが大切であることは、最近広く知られるようになってきました。しかし、なぜ感染症予防に腸内環境を整えることが大切なのでしょうか。
病原体やウイルスなどの外敵を撃退する体内の免疫細胞の60~70%は腸にあるといわれています。そのため、腸内細菌のバランスを整えることが感染症予防のためには大切なのです。
これらのことからも、腸内環境を整えるはたらきをする「納豆」の栄養については度々メディアでも取り上げられています。さらに最近、納豆などの発酵性大豆食品を多く食べる人はそうでない人に比べて死亡率が10%下がるという研究報告も話題になりました。ちなみに1日50gとった場合の研究となりますので、納豆に換算すると約1パック相当になります。
納豆と相性の良い食材
嬉しい効能がたくさんある「納豆」の栄養を余さず摂るためにどんな食材を組み合わせて食べると良いか、納豆と相性の良い食材について紹介します。
1. 納豆×キムチ
両者とも発酵食品となり、非常に相性の良い組み合わせとなります。キムチにはヨーグルトよりも多くの「乳酸菌」が含まれています。納豆に含まれるオリゴ糖が、キムチの乳酸菌のえさとなり、お互いの発酵パワーを引き立て腸内の善玉菌を増加させます。
2. 納豆×ネギ
納豆と定番の組み合わせのネギ。栄養素的に見ても相性の良い食材となります。
玉ねぎを切ると涙がでますが、これは玉ねぎに含まれる成分である硫化アリルが目や鼻の粘膜を刺激しているためです。この成分はネギ、にらやにんにく等にも含まれており、納豆に含まれている「ビタミンB1」の吸収を促進します。
ビタミンB1は、筋肉や神経の疲れをやわらげる働きもあります。少し疲れがあるというときには、納豆にねぎをトッピングすることをオススメします。
3. 納豆×山芋
納豆にすりおろした山芋を混ぜると、ネバネバ感が増してとろっと食べやすくなります。山芋を組み合わせることで、山芋に含まれるジアスターゼやアミラーゼなどの消化酵素などを一緒に摂ることができます。また、山芋や納豆のネバネバは胃腸を保護するはたらきがあるため、胃腸が少し疲れているというときにオススメです。
4. 納豆×めかぶ
めかぶは水溶性食物繊維が豊富に含まれています。整腸作用があり、余分な糖分・塩分・コレステロールを体外に排出させる成分も豊富です。
めかぶを納豆と組み合わせて食べることで腸内環境の改善が期待できます。便秘がちな人や血糖値が気になるという人にオススメの組み合わせです。
5. 納豆×アボカド
アボカドには食物繊維とオレイン酸が多く含まれています。また納豆とアボカドの両者ともカリウムがたっぷり!身体に溜まった余分な毒素を外に排出する効果があります。特に高血圧の方にオススメの組み合わせです。
納豆の栄養が減る組み合わせ
栄養素を効率よく利用するうえで相性が悪い食材、食べ方があります。身体に悪影響を及ぼすわけではないため、過剰に気にする必要はありませんが、納豆の栄養を効率よく取り入れたい方は参考にしてください。
1. 納豆×生卵
納豆と生卵を混ぜて食べたことがある方は多いのでは!?
卵に含まれる「アビジン」という成分が、納豆に含まれる「ビオチン」と結合して、ビオチンの吸収率を下げてしまいます。ビオチンとはビタミンBの一種で私たちの皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康に深く関わっているビタミンです。欠乏症には皮膚炎、脱毛、神経障害などが知られています。
アビジンと強く結合する性質があり、結合すると吸収されなくなってしまいます。
ただ、この「アビジン」は生卵の卵白のみに含まれています。また、熱を加えると変性します。過剰に心配する必要はありませんが、納豆に卵をプラスしたい場合は、卵を半熟にする、卵黄のみトッピングして食べることでビオチンをしっかり摂ることができます。
2. 納豆×炊き立てのご飯
納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」という酵素タンパク質は熱に弱く、炊き立てアツアツのご飯にのせてしまうと活性を失ってしまうのです。そのため、ご飯をお茶碗によそってから少し冷ましてから納豆をのせましょう。
期待した栄養素が失われないためには、納豆チャーハン等の加熱の調理方法は避けるとよいでしょう。
ちなみに、ナットウキナーゼは腸内細菌叢のバランスを整えたり、血栓を溶かしたり、血栓をできにくくする働きがあるといわれています。
納豆と意外に合う!オススメの組み合わせ
ちょい足しで、納豆と意外に合うオススメの組み合わせを紹介します。
1. 納豆×酢
酢納豆は、酢の効果で納豆がふわふわになりにおいが軽減するため、納豆が苦手な方にもオススメの組み合わせです。
酢に含まれる短鎖脂肪酸が善玉菌のエサとなり、腸粘膜を保護し、納豆の栄養吸収率も上げてくれます。腸内環境を整える効果もより一層高まります。「酢納豆」のレシピをご紹介します。
酢納豆
【材料】
ごはん:1杯(150g)
納豆:1パック
酢:小さじ1
オリーブ油:小さじ1
※亜麻仁油やえごま油でも良いです
タレ:1パック分
みょうが お好みで薬味をどうぞ
1. | 納豆と酢、オリーブ油、タレをかき混ぜる |
2. | お好みで薬味を加えて完成! |
2. 納豆×砂糖
北海道や東北地方では納豆に砂糖をかけて食べるのが定番だそうです。もともと北海道や東北地方では甘い味付けの料理が多く、納豆に砂糖を入れることも自然な流れで定着したのではないかと考えられています。
甘納豆のような感覚でしょうか。砂糖を入れると粘りが増して、美味しいそうです。納豆好きの方は是非試してみてください。
普通に食べるだけでも栄養豊富な納豆ですが、いつもの納豆にご家庭にもよくある食材をちょい足しをすることで、より納豆の栄養を引き出すことができますよ。是非お試しください。
お話をうかがった方
メディカルフードサービス株式会社
管理栄養士
前島 由貴さん
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