家の屋根・外壁セルフチェックの方法

LIVING

2019.03.18
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住宅は、年月を重ねるにつれて汚れたり破損したりするものです。室内と違って、屋根や外壁など外観の変化には意外と目が行き届かないもの。大切な我が家を長持ちさせるには、どんなところに注意すればいいでしょうか。そのコツとチェックポイントを紹介します。

家の手入れは「早期発見」「早期修理」

住宅のお手入れは人の体と同じで、早く異常を発見して傷が小さいうちに対処すれば、手間も修繕費用も抑えることができます。例えば、屋根が傷んだ時に早めに瓦を補修すれば、数万~数十万円程度で済みますが、雨漏りが発生してしまうと、天井板や内壁、建材を交換するため、費用が数百万円になってしまうことも珍しくないのです。

家の点検はここをチェック!

家屋の状態を知るには、セルフチェックをしてみましょう。はしごや専門的な道具は必要ありません。まずは、自分ができる範囲で次の4つを確認してみましょう。

①「なんとなく汚い屋根」は危険!

「なんとなく汚い屋根」は危険

パッと見て「なんとなく屋根全体が汚いなあ」と感じるのは、危険なサインです。瓦屋根にゴミが載っているだけのように見ても、実は瓦を固定するしっくいがはがれている可能性があります。しっくいがはがれると、そこから雨水が侵入するおそれがあります。天井部分に雨水が入ってしまうと、木材全体が水を吸い、釘が打てないなどの問題が出てきます。さらに、カビやシロアリが発生する原因にもつながります。瓦に落ち葉などが引っ掛かっているだけであれば、部分的に気になりますが、屋根全体が汚く見えるときは特に注意しましょう。

②軒天とベランダ下をチェック!

軒天をチェック

縁側や物干しの近くに、小さく屋根がせり出した部分があります。軒下の天井部分、いわゆる軒天を確認してみましょう。ここに雨のシミやカビがある場合、屋根から雨水が浸入している可能性があります。通常、軒天に雨が当たっても、ぬれるだけでたまることはありません。シミやカビがあるのは、その上部分、つまり軒に雨水が浸入している可能性が高いのです。

ベランダ下をチェック

2階部分にあるベランダの下面も同時に確認してみてください。ここにシミやカビがある場合も軒天と同じく、ベランダの外壁から雨水が入り込んでいる恐れがあります。ベランダの外壁をつなぐコーキング(雨水の浸入を防ぐゴム状の部分)が劣化すると、このようなケースにつながることが多いようです。

③塗装のはがれを見過ごしていませんか?
人も肌の荒れや日焼けを防ぐため、下地クリームや日焼け止めを塗ってお肌を守っていますね。家の塗装も同じような役割があります。塗装は、単に外観をきれいに見せるだけでなく、雨水の浸入や乾燥、紫外線などから家を守っているのです。塗装がはがれると、その下にある壁面や防水のコーキング剤の劣化が早くなります。そこから水が浸入してさらに他の塗装面がはがれ、家の傷みへとつながります。塗装がはがれていないか確認してみましょう。

④見落とせない外壁のひび

見落とせない外壁のひび

壁面のごく小さなヒビも、放置したままだと危険です。時間が経過すると雨水がしみ込んで、内部の木材が膨張と乾燥をくり返すようになります。それが外壁全体の傷みにつながり、補修の費用がかさむ原因にも。小さいヒビだからと放置せず、早めに対応しましょう。

家のセルフチェックのタイミング

定期点検の目安は、築20年までは10年おき、築20年を過ぎたら5年おきにやるのが目安です。新築の家は塗装や防水がまだ新しいので、それほどトラブルは起きませんが、20年を過ぎると少しずつ劣化するものです。
台風や大きな地震などの後も、家全体をセルフチェックしてみましょう。強い風によって屋根瓦がずれているケースや、壁に小さなヒビが入ることもあります。被害が小さなうちに対処することで、修理コストもグンと抑えられます。

専門家にお願いして無料でチェック!

プロの補修業者なら、家の傷み具合の8~9割は外観を見るだけで分かります。建物の外観によるチェックは、一般的なリフォーム会社であれば無料で対応してくれるところが多いです。ただし、雨漏りしている箇所やカビの原因の特定などは、屋内で専門の測定器やカメラなどを使用するため、費用がかかることもあります。どの程度までチェックしてもらうのかを、あらかじめ決めておくといいですね。

「セルフ修繕」の落とし穴

費用がかかるからといって、自分で修理・修繕しようとすると、かえって傷口を広げてしまう可能性もあります。また、思わぬ事故やケガにつながることも。DIYが得意な方でも、こうした事態にならないよう、修繕は専門業者に依頼しましょう。

①かえって悪化する
実際にあった話で、DIY(大工仕事など)が好きな方が、外壁の間の隙間が気になって補修剤で埋めたことがありました。隙間はうまったのですが、もともとあった雨水の排水路まで埋めてしまったのです。その結果、水の逃げ場がなくなり、むしろ事態が悪化してしまいました。修繕する際は、元々あったものなのか、それとも劣化によるものなのかをきちんと判断しなければなりません。

②かえって時間・コスト増
補修剤などの消耗品や工具などは、特殊なものなのでほとんど使わないままになるケースがあります。
また、プロが外壁のスキマを埋める際は、ただ樹脂で埋めるのではなく防水加工を施したりひび割れを防ぐ加工をするなど、再発しないための対策を何重にもします。同様の加工をするとなると、かえってコストも時間もかかってしまうケースは少なくありません。

③とても危険
家の高い部分の修繕には、脚立やはしごなどを使う必要があります。屋根の修繕には、当然屋根に上らなければなりません。さらに、軒天やベランダ下といった場所は、脚立やはしごを使っても作業がしにくく、落下の危険性があります。家の修理をするために怪我をしてしまっては本末転倒。無理せず専門業者に依頼しましょう。

家の修繕を依頼する際のチェックポイント3か条

「修繕をプロに任せようかな」という方が気になるのは、家のリフォーム(補修)の専門家の選び方です。雨漏りを修理する際は家の中に案内することもあるので、できるだけ信頼できる専門家にお願いしたいところです。しかし、
「今すぐ補修が必要だと言われたが、本当にそうなのだろうか」
「補修にかかる費用の見積もりを複数社で取ったが、どこも金額が異なり、どれを信用していいか分からない」
といったお悩みを抱えている方も多いようです。できるだけ信頼できるリフォームの専門家を選ぶポイントを解説します。

チェックポイント①契約を急がせる業者は要注意
「今日のうちに契約したら◯◯円値引きします」など契約を急がせるケースは要注意です。中でも、いわゆる「飛び込み営業」で突然やってきたにもかかわらず、その日の契約をすすめてきた場合は、少し時間をおいた方がいいでしょう。家の修繕は、それなりに費用がかかるものです。契約を急かしてきた場合でも冷静になり、家族と話し合って決めるくらいの余裕を持つといいでしょう。

チェックポイント②知識があり十分に説明してくれる
家屋の構造などについての知識や、必要な補修について、十分に説明してくれる専門家を選びましょう。施工内容や使用する部材は専門的で、一般的には耳慣れない単語もたくさん飛び交いますが、良いリフォーム専門家ほど丁寧に説明をします。仮に、次の補修が必要になった際、前の修繕がどのように行われたのか把握できれば、コストも安く手間もかからないケースがあるからです。それぞれの施工内容とメリット、デメリット、金額などをしっかりと説明してくれるリフォームの専門家を選びましょう。逆に、補修・施工の中身を十分説明してくれない場合は、何か知られたくないことを隠している可能性があります。

チェックポイント③複数の選択肢を提示してくれる
家の修繕は、住んでいる人のライフプランによって違ってきます。例えば30~40年と長く使っていきたいのか、それとも3年後に全体リフォームをするので応急処置だけでいいのかなどによって、修繕内容は変わってきます。そのため良い専門家ほど、住人の要望を丁寧に聞いて修繕について複数の選択肢を用意してくれます。住人の都合を聞かずに補修案を一方的に押しつけてくるリフォームの専門家には、注意しましょう。

◆

住宅は一生の中で最も高い買い物となるケースがほとんどです。だからこそ、長く使っていきたいですよね。そのためには定期的にセルフチェックして早くに修繕すると、コストも手間も抑えられるようになります。ただし、セルフ修繕には注意が必要です。専門的な知識がないと、かえって家の不具合を悪化させたり、自分が危険な目に遭う可能性があります。専門家に任せる時は、あまり契約を急がず、複数プランをじっくりと検討することが大事です。
早めの対応をして、快適な家で気持ちよく過ごしていきたいですね。

お話をうかがった方

和田充弘さん

株式会社セイフティーリノベーション
リフォームアドバイザー
宅地建物取引士
和田充弘さん

屋根のご相談はこちら
http://www.yane-takumi.net/

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https://kabenotakumi.com/

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