ワーキングマザーの体験談 藤吉明日香さんインタビュー

HUMAN

2016.12.01
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株式会社アール・エフ・ラジオ日本で広報担当として働く藤吉さん。3歳のお子さんがいるワーキングマザーです。仕事とプライベートの両立、ワーキングマザーとして働くことへの思いについてうかがいました。

株式会社アール・エフ・ラジオ日本
編成局編成部 主任
広報担当
藤吉 明日香さん

変われない自分だからこそできる時にとことんやる!

――新卒からマスコミ志望だったのでしょうか?

もともと放送業界に興味がありマスコミ関係の企業を中心に受けていたのですが、私が就職活動をしていたときはいわゆる就職氷河期。地方局の試験も受けに行ったり、各地の試験にチャレンジしましたが、なかなか採用をもらえませんでした。ラジオ日本からご縁をいただけたのは「もうメディア業界は難しいかも」と諦めかけていた時期でした。就活にも疲れ果てていて、肩ひじを張らずに臨めたのが良かったのかな、と思います(笑)。当時はそれほど意識をしていませんでしたが、子どもの頃を振り返ると身近にラジオがあり、幼心に影響を受けていた気がします。

――ご結婚されて、子どもができたら仕事と
どう両立させようかなど、考えたりされましたか?

自分の中におぼろげなライフプランはありましたが、先のことはそんなに考えていなかったというのが正直なところですね。周囲には、ママになっても働く友人が増えていましたが、私の会社は男性が多かったため自分がワーキングマザーになるなんて実感がなく、目の前の仕事に取り組むので精一杯でした。

――出産後から職場への復職プランは順調でしたか?

産休から1年後には復職する予定でした。しかし保育園が見つからず、結局復職したのは1年半後でした。その間に、それまで住んでいた目黒区から千葉県内の私の実家に引っ越しましたし、少しでも保育園に入れやすくするために、私の両親に子どもを預けながら復職をしましたね。今も時短勤務を続けていて、仕事が終わったらすぐに家に帰る生活をしています。当初は、「自分の時間も余裕も無くなり、忙しくなるんだろうな」と思っていましたが、実際にワーキングマザーとして働いてみると「そこまででもないな」というのが正直な印象です。

――そう感じることができるのは凄いですね!
仕事をあきらめたりはしなかったんですか?

育休当初は、初めて経験する子育てに夢中でした。長い人生の中で、唯一子どもに全力を傾けられる期間ですから。この時期は仕事を思い出すのでむしろラジオを聴くことから離れていました。でも、ふと冷静になると、「自分は変われないんだな」と思いました。仕事は、私にとって社会とつながる大切な手段です。休職前は意識していませんでしたが、仕事をしている自分に少なからず誇りもあったかもしれません。母親になったことで、自分のやりたいことや生き方、そういったものを変えなければいけない状況ではあるけれど、私の芯の部分にある思いは変えられない。仕事をしているシーンを夢で見るほどでしたからね(笑)。だから「できるところまでとにかくやってみよう」と思いました。もちろん、子育てと仕事が思ったように両立できずにイライラしたり落ち込んだりもあります。会社や周囲に迷惑をかけている部分もあるかもしれません。でも、主人を始めとする家族や会社の同僚の協力もあって、思ったよりはやれている気がします。

おおらかな気持ちでいるために社会とのつながりが不可欠

――出産前と今とでは、どんなところが変わりましたか?

周囲に対して良い意味であきらめがつくようになり、おおらかになった気がします。自分が周囲に助けられているという思いもあるからかもしれませんが、些細なことで慌てるよりは、いったん落ち着いて物事を考えられるようになりましたね。時々3歳の子どもが家事を手伝ってくれるのですが、かえって時間がかかったりしてもそれこそ大らかな気持ちで受け止めています(笑)。

反面、自身のタイムマネジメントについては今まで以上に意識するようになりましたね。例えば”買い物など”はネットスーパーなど宅配サービスを積極的に利用しています。子どもがいないころは残業もこなしていましたが、今は時間通りに帰らなければいけませんし、いつ子どもの体調が変わり保育園から「お子さんを迎えに来てください」と連絡がくるかもわかりません。出社する電車の中では1日のスケジュールを頭の中で組み立てて、できることは少しでも前倒しするようにしています。会社の飲み会なども参加できないシーンがほとんどですが、必要であればランチミーティングにしてもらったり、できるときにこまめにメールで仕事を処理したり…。育休から復帰し、2年以上が経ちましたが、試行錯誤の中で生活のペースもなんとか確立されました。

――今後は、どのようなライフスタイルを目指していきたいですか?

仕事と家庭の両立は、バランスを取るのが難しいのは事実です。でも私の場合で言えば、ずっと家にいるよりは、外で働く時間があった方が周囲に対して笑顔になれる気がします。会社にも家族にも時には友人にも迷惑をかけるシーンがあるかもしれませんが、とにかく精いっぱいやってみたい。大きな夢ではありませんが、10年後も今のように仕事も家庭も両立していたいですね。何か困難があったとしても手を差し伸べてくれる人は必ずいると思いますし、人生、どこで追い風が吹くかは予測もつかないものです。女性らしい柔軟性をもって、その時その時を精いっぱい頑張っていれば、いつか自分が実現したいライフスタイルを実現できるのではないでしょうか。これからも「笑顔」を忘れずに頑張っていきたいと思います。

[聞き手から]


「これまでコミュニケーションでなんとかやってきた」。インタビュー中に印象に残った言葉です。なんとなく「助けて」と気軽に言えない世の中で、勇気を持って声を出すことは大きな意味があります。迷惑をかけないのが美徳ではなく、助けてくれる人を持つ人生を歩むことが美徳なのかもしれません。これまで藤吉さんが歩まれてきた人生が目に見えるようなお人柄でした。

ラジオ日本:http://www.jorf.co.jp/
2016年10月から女性向けの新番組
Hello! I,Radio(ハロー! アイレディオ)
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