パイナップルダイエットは適切なやり方で! 栄養と効果について

BEAUTY & HEALTHY

2018.09.03
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5月から8月にかけて旬を迎える果物、パイナップル。ブロメラインという独自の酵素をはじめ、含まれる栄養から体に良いフルーツです。健康、美肌に効果的なパイナップルの栄養、ダイエットのやり方について管理栄養士の圓尾和紀さんにうかがいました。

 

パイナップルダイエットとは?本当に効果ある?

「パイナップルダイエット」はハリウッド女優のジュディ・マゼルさんが考案したもので、30㎏も体重を落とすことに成功したそうです。当時は、彼女のパイナップルを中心とした6週間のメニューを掲載したダイエット本も出版されていたほど、大ブームとなりました。 ただ、メニューがきっちり設計されているため、一般の人が取り組むにはハードルが高いという難点が。しかも、毎回パイナップルの皮を剥いたり、切ったりはちょっと面倒だと思いませんか? ダイエットは一時的に効果があっても、持続できなければリバウンドの可能性もあります。そこで、パイナップルの持つ栄養成分に注目しつつ、手軽に始められる「プチ・パイナップルダイエット」として取り組むのはいかがでしょうか。

 

パイナップルの栄養と体への5つの効果について

パイナップルダイエット

パイナップルの主な成分は水分と炭水化物、そして、果糖や食物繊維、カリウム、ビタミン。そのほかに「ブロメライン」というたんぱく質を分解するパイナップル特有の成分が含まれています。
では、パイナップルの栄養素が体にどんなよい作用をもたらすのか、紹介していきます。

 

パイナップル効果1・タンパク質の分解を助け代謝を促す

ブロメラインは、消化を助けるはたらきをしてくれる酵素です。ブロメラインを取ることで消化に使っていた体内のエネルギーを脂肪の燃焼などに効率よく使うことができるため、ダイエットにつながるのです。

 

パイナップル効果2・関節痛などの炎症を抑える

ブロメラインには炎症を抑える作用もあるため、関節炎やアレルギーなどにも効果を発揮します。また、腸内環境を整えるはたらきも。腸内環境が良いと免疫力も上がるため健康のためにはとてもよい成分といえるでしょう。

 

パイナップル効果3・便秘を解消へと導く

前述した腸内環境を整えるブロメラインの効果にプラスして、くだものに豊富に含まれる食物繊維が便秘を和らげてくれます。

 

パイナップル効果4・高血圧を改善する

パイナップルに限らず、くだものの多くはカリウムを含みます。カリウムは余分なナトリウム(塩分)を体外に出すため、高血圧の原因の解消も期待できます。

 

パイナップル効果5・美肌作りにも効果あり!

ビタミンB群やビタミンCはメラニンの生成を抑え、皮膚や粘膜の健康を維持するのに必要な成分といえます。また、セラミドという肌のバリア機能を整え、保湿を促す成分も含んでいます。

 

実践!プチ・パイナップルダイエット

パイナップルダイエット

パイナップルを利用したダイエット方法には下記の5つのポイントがあります。
・朝食にパイナップルを食べる
・食べるタイミングは食前がよい
・朝食後2時間はなるべく何も食べない
・常温  or  生のパイナップルを食べる
・パイナップルを食べた後は炭水化物を取らなくてよい

あくまで無理をしない程度に実践してみましょう。それぞれについて、下記で詳しく説明します。

 

朝は「排泄の時間」。代謝の手助けをする成分の摂取は重要

朝、人間の体内では摂取した栄養成分の取捨選択をしています。そのため、消化や代謝を助けるブロメラインの摂取や、余分な成分を排出するのに必要なカリウムなどの栄養素を補うことは重要といえます。

 

パイナップルを食べるタイミングは朝食前が効果的!その理由は?

消化酵素の効果を期待するなら、食後のデザートとしてではなく、食前に食べておきましょう。ブロメラインが体内で先回りして消化を助けてくれます。このとき、キウイやオレンジなどを一緒に取るのも美肌のためにはおすすめですよ。

 

朝食後2時間程度なるべく何も食べないようにしよう

朝食はできるだけ取ることが重要ですが、その後2時間程度は間食を避けましょう。前述したように、朝は体内環境を整えるためにとても大切な時間です。朝食後に、さらに食べものを取り入れることは消化器官にとって非常に負担になってしまいます。

 

缶詰はNG。常温や生のパイナップルを食べましょう

パイナップルダイエット

缶詰のパイナップルは加熱してあるため、熱に弱いブロメラインやビタミンの効果は期待できません。食べるなら生のものがベストです。とはいえ毎回皮を剥いたりカットしたりするのは難しいもの。手軽に試すなら、コンビニなどで売っているパックのものでもOKです。

 

パイナップルを食べたあとは炭水化物を取らなくてよい

パイナップルの栄養成分には炭水化物も含まれているので、朝食としての炭水化物は十分取れているということです。
日本では今、炭水化物を抜くダイエット法が流行していますが、本来、炭水化物は人にとって重要なエネルギーなので必要以上に控えることはないのです。

 

どのくらいの量を食べればいい?
一日の摂取量について

目安は100g程度。くだものに含まれる果糖は取りすぎると肝臓で脂肪に代わることが分かっています。コンビニなどで売っている1パックの量はだいたい120g前後なので、1パック程度で十分だと思います。
また、暑い時期に冷たいものを食べ過ぎると体を冷やしてしまうため、夏バテにもつながる可能性があります。多くても1日200gくらいまでにしておくのがおすすめです。

 

パイナップル効果は食欲のない時も◎

暑い時期は水分の取りすぎや発汗により、ビタミンやミネラルを失いがちです。また、食欲がなくなると偏った食事になり、タンパク質などの必要な栄養素の不足につながります。そうなってくると、体力が低下してさらに悪循環を引き起こしていってしまいます。
そのためには、糖分の多い飲み物やアイスなどを控えて、ビタミンが豊富で消化を助けるパイナップルを食べることはとてもいいですね。

 

バランスの取れた食事が美容にも健康にもよい

パイナップルダイエット

管理栄養士として伝えておきたいことは、「バランスのよい食事を取ることが一番美容にも健康にもよい」ということです。単一食品のダイエットは栄養が偏ってしまい、かえって健康が損なわれます。パイナップルダイエットも「パイナップルしか食べてはいけない」という趣旨ではないので、注意しましょう。
また、もしパイナップルに飽きたら、酵素の効果が期待できる他の食品を時々メニューに取り入れてみてもいいと思います。それには、とろろや長いも大根おろし(いずれも少しのだしつゆやしょうゆ、しらすをプラスしてもOK)がおすすめです。無理をしすぎない程度に取り組みましょう。

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お話をうかがった方

圓尾和紀さん

管理栄養士
一般社団法人分子整合医学美容食育協会 プロフェッショナル・ファスティングマイスター
同 中目黒支部支部長

圓尾和紀さん

古くて新しい和ごはんの考え方を伝えるフリーランス管理栄養士。神戸出身。趣味は落語鑑賞。ワニブックスより『一日の終わりに地味だけどホッとする食べ方』発売中‼

管理栄養士 圓尾和紀の「カラダヨロコブログ」
http://karada465b.minibird.jp/

Twitter 管理栄養士◆圓尾和紀
https://twitter.com/blk_sheep

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