積立王子がこっそり教えるおカネが“育つ”レシピ vol.2 人生100年時代に備えて脱!やみくもな貯金
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2018.02.02連載第1回では、貯金や投資を始める前に、そもそも自分にとって「お金」とは何かについて考えました。第2回は、「貯金」について。なかなか貯まらないと思っている方、本当に必要なお金について、具体的な数字に置き換えて考えてみたことはありますか。積立王子と一緒に考えていきましょう。
マネ子(30歳・独身)
「将来のために貯金しなきゃ」と、漠然と感じているが、社会人になって一人暮らしを始めてからなかなか貯められずにいる、働く女子
「ピンチの備え」ではなく 現実的に必要なお金
マネ子 むだ使いしているわけではないのに、全然貯金ができないんです。
中野 そういう質問はとっても多いです。そもそもマネ子さんはなぜ「貯金しなきゃ」と思うのですか。
マネ子 これから結婚や出産するかもしれないし、それ以外にも病気やケガなど、「いざ」というときの安心がほしいからです。
中野 多くの人が、マネ子さんと同じように「いざというときに備えて貯金」と考えています。もちろん貯金は現実的に必要なものです。第2回は、具体的な数字にして、貯金について考えてみましょう。
定年後無収入の40年間 どうやって過ごす?
まず、「将来」についてですが、一般的には定年が60歳、平均寿命が80歳と考えられています。退職後の20年間は自分の稼ぎなしに生きていかなければなりませんね。でも最近、国が「人生100年時代構想」という考えを打ち出しました。人生が100歳までと仮定すると、定年後40年間を無収入で生きていかなければならない状況も十分考えられます。収入なしで40年間をどうやって暮らしていきますか。
今、30代の方が定年を迎える30年後の2050年頃には、働き手1.4人で高齢者1人を支えなければならないという統計もあります。このような状況下で、年金もまったく頼りにできないですよね。
自分で働いてお給料をもらえる期間には限りがあります。当たり前のことですが、このことをひとごとと思っていたら、なにも変わらずに時間だけが過ぎてしまいます。貯金は、ただ漠然と続けても意味がありません。やがて使うときのために、つまり定年後のために必ず必要になるので、働いてお給料をもらえる今のうちに用意しておかなければならないのです。
しかし、漠然と貯金している人は、やらなきゃとは思っていても結局、毎月家賃や交際費などで、手元にお金が残らないままになってしまっているのでしょう。
そんな方にお伝えしたいのは、貯金を「毎月必ず支払うもの」として取り置くことです。
たとえば家賃は、毎月7万円と決まっていて、期日までに必ず支払っていますよね。貯金も、それと同じように考えればいいのです。「残った分を貯金」に回してきた人は、月5000円からでもいい。家賃のように踏み倒すことができないお金として、先取りしてしまえばいいのです。
自分に必要なお金を自分で生み出せる今のうちに、定年後に使う分を見据えて蓄えていきましょう。
「積立王子」こと
セゾン投信
中野晴啓 代表取締役社長
1987年に大学卒業後、アパレル業に従事したいとの思いでセゾングループに入社するが、入社3日後に金融運用会社に配属される。16年間ファンドマネージャーを務め、2006年にセゾン投信を設立。年間150回に上る講演を行っており、メディアにも引っ張りだこ。「積立王子」の異名を持つ。
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