故障しないための冷蔵庫の正しいお手入れと使用法

LIVING

2018.07.19
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冷蔵庫の掃除、していますか?掃除に敏感な方でも見落としがち。食材の汁がこぼれて固まったり、ベトついたり……なんてことも。そこで、冷蔵庫掃除のコツをご紹介します。プロの電気屋さんに聞いた故障につながりやすいNG事例も参考にしてください。

放置をすると大変なことに!冷蔵庫の汚れ

常温で保存するより、冷蔵庫の中に低温で保存した方が食材は長持ちしますね。
だからといって、「低温で食品を保存するから、カビや雑菌が繁殖しにくい」というのは大きな誤解です。

なぜなら、冷蔵庫に入れる食材にはもともとカビや雑菌が付着していて、低温でも0度以下にならなければ、じわじわと繁殖しているのです。目に見えないからこそ怖い、カビの胞子や雑菌。家族が口にする食材を入れておく冷蔵庫だから、カビなどが増殖する前にこまめにお掃除をしておきたいですね。 

洗剤は何を使えばいいの?
冷蔵庫の掃除の仕方のポイント

冷蔵庫の中でも特にカビや雑菌は繁殖しやすい場所は、①野菜室②扉のパッキン③自動製氷機の3カ所です。
では、それぞれ、どのように掃除していけばいいのかを紹介します。

①野菜室

野菜室のイメージ

生のまま食べるものが一番多く保存されているのが野菜室。特に清潔にしておきたいものです。
それなのに、「野菜くず」や「土が付いたままの野菜」など、カビや雑菌の原因となる要素が多いのも、また野菜室なのです。

野菜室を清潔に保つには部分掃除が有効です。野菜をすべて使い切ることはなかなか難しいですよね。だけど、「野菜が少ないときに」なんて言っていると、いつまで経っても掃除をしなくなります。

野菜室は2段になっているものもあるので、「今日はこちら側、今日はこの段」などと一部だけをきれいにしていきましょう。
短時間できれいにできる範囲をこまめに掃除するのがポイント。
冷蔵庫を長時間開けっぱなしにしておくことで、電力を過剰に消費してしまったり、冷蔵庫の冷却構造に大きな負担が掛かるため、故障にもつながりやすくなります。

掃除の際に、用意するものと、その手順は以下の通りです。 

<野菜室掃除で用意するもの>
・中性洗剤
・柔らかい布(濡れ拭き用・乾拭き用)2枚
<手順> 
1)薄めた中性洗剤を準備し、柔らかい布を浸して硬く絞ります。
2)次に中性洗剤を洗い流すために水拭きをします。 
3)最後に乾いた布で水気をふき取ります。

②扉のパッキン

扉のパッキンも要注意です。ここも同じように、薄めた中性洗剤を柔らかい布に浸して絞り、水拭きをして、乾拭きをして汚れを落としましょう。

③自動製氷機

自動製氷機

最近では、自動製氷機の付いた機種が多くあります。メーカーや機種、使用環境によっても異なりますが、そのほとんどは週に1~3回の洗浄が推奨されています。

製氷機のそれぞれのパーツはほとんどの機種で取り出して洗えるようになっています。

浄水フィルター部は水洗いを心掛けましょう。その他の製氷皿や給水タンクなども汚れがひどい場合のみ、薄めた中性洗剤と柔らかいスポンジで洗い、よく水ですすげばOKです。(取り外し方や取り付け方は、機種によって異なります。取扱説明書をご参照ください。)

冬期など、長期間製氷の必要がなくなる時期は、洗浄後、自然乾燥でよく乾かしてから冷蔵庫内に戻しておくのが非常に効果的です。また、機種によっては、製氷機能をOFFにできるものもあります。長期間使用しない場合はOFFにしておくとよいですね。 

どの部分にも共通して使ってはいけない
NG洗剤や道具

たわし

ここで、冷蔵庫のどの部分にも使ってはいけない洗剤や道具を紹介します。

・シンナー、ベンジン、アルコール
・粉せっけん、みがき粉
・重曹を含むアルカリ性の溶液や洗剤
・たわし
・熱湯

これらは、冷蔵庫の内部やパッキン、製氷機の表面を傷つけてしまう可能性があるため、使用しないようにしましょう。かえって故障の原因となることもあります。

故障につながりやすいNG行為4つ

ここで、実際にあった冷蔵庫の掃除のときにやってはいけないことや故障につながるNGな事例を紹介します。

①掃除のとき、電源コードを抜いてはいけない

よく、ネットの情報などで、「冷蔵庫の電源コードを抜いてお掃除をしよう」という記事を見かけます。冷蔵庫は1℃でも庫内の温度が上がると、下げるためにたくさんの電力を使います。特に気温の高い日は庫内の温度が上がるスピードが速いため、冷却機構に大きな負荷が掛かり、故障につながりやすくなります。 

ポイント
POINT!
電源コードを抜いてしまうと、冷蔵庫を冷やすために電気で蒸発させていた水が流れ出てしまいます。冷蔵庫の裏側からのぞくと写真のように水を受け止めるトレーがありますが、そこからあふれ出した分は冷却装置をぬらしてしまう可能性も!基盤などがぬれると故障につながるので、絶対にしてはいけません。

②嘘のような本当の話。冷凍ごはんを詰めすぎてはいけない

冷蔵庫のドアが開かなくなったというトラブルの中で何度かあった嘘のような本当の話が、冷凍ごはんの詰めすぎなんです。
たくさんごはんを炊いて、余ったご飯を小分けにして急速冷凍室などに入れる方が多いのですが、冷凍して固まったごはんが引っ掛かり、引き出しが開かないトラブルの元になるので注意が必要とのことです。

③ビニール袋はみ出ていませんか?

ビニール袋はみ出ていませんか

よく、スーパーで買ったビニール袋のまま冷蔵庫に保存しますが、袋が引き出しに収まりきらず、パッキンにはさまってしまっていることがあります。パッキンにすき間を作ってしまうことと、ビニール袋に結露した水分が凍って引き出しのレールを痛める可能性があります。注意しましょう。

④冷蔵庫の横や上には物を置かない・敷かない

冷蔵庫の横の背面側と上部は、熱を逃がすための構造になっています。以前、冷蔵庫の上ビニールのシートを敷いて、その上に物を置いていたお宅がありました。冷蔵庫は放熱できないと庫内に熱がたまってしまい、壊れてしまいます。

まとめ

冷蔵庫の掃除の仕方は、ホームページなどに掲載しているメーカーもあります。アルコールによる消毒や重曹を使ったお手入れは、庫内の素材の表面を傷める可能性があるため、実はやってはいけないことなのです。
冷蔵庫は24時間365日稼働し続ける方が省エネかつ故障しにくい家電製品。引っ越しなどのやむをえない事情がなければコンセントは抜かないのが賢明です。取扱説明書なども参考にしながら、正しいお手入れをしましょう。 

お話をうかがった方

沼澤 栄一さん

栄電機(亀戸)
沼澤 栄一さん

2005年から「街の電気屋は商品を売る事だけじゃないと伝えたくて」お客様との出来事を中心にブログを書き続けている。そのブログが評判となり、親切な電気屋さんとして亀戸で街を歩けば知らない人はいない存在に。

ブログ 栄電気のココロ
https://blog.goo.ne.jp/sakae-dk
Twitter 沼澤栄一@沼ちゃん亀戸の電気屋さん
https://twitter.com/sakaedk/

 

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