自宅でできる加圧トレーニングのダイエット効果とデメリットとは

BEAUTY & HEALTHY

2018.02.22
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低負荷・短時間でできる筋肉トレーニングとして知られている加圧トレーニング。実はいま、女性にも効果的なダイエット方法として注目されているのをご存じでしょうか。そんな加圧トレーニングの5つの効果や自宅でできる方法、注意点やデメリットまでご紹介します。

加圧トレーニングとは

加圧トレーニングとは

加圧トレーニングとは、医学博士 佐藤義昭氏によって発明された、「適切に血流を制限した状態で行うトレーニング方法」です。 腕や脚の付け根を専用ベルトで加圧し、適切に血流を制限することによって低負荷の運動でも、高負荷の運動と同様の効果が、より短時間・短期間で得られます。


また、普段使われていない血管に血流を促す作用があるため、血行促進によるさまざまな身体活性作用が得られます。 血流の動脈側をほどよく制限し、静脈側を強めに制限することで、腕・脚に血液が多く滞留し、普段は使わない毛細血管にまで血液が流れるようになります。この状態で筋肉を動かすと血中の乳酸濃度が急速に高まり脳下垂体からの成長ホルモンの分泌が促進されます。

 
加圧トレーニング

乳酸は疲労物質の一種。血流が制限されると、乳酸が体内にたまります。すると脳は「乳酸がたまっているから、早く除去しなきゃ!」と感じて、成長ホルモンを分泌します。使われていなかった毛細血管にも血流が行きわたり、再び使われるようになります。

加圧トレーニングをすると、100メートルを10本走ったときと同程度の乳酸が出るそうです。そのときに出る成長ホルモンの量は、普段生活しているときと比べて、なんと約290倍にもなるといいます。
このように、激しい運動をしたかのように脳を錯覚させることで、成長ホルモンの分泌を促すので、効率よく筋力トレーニングができるというわけです。
発明者でボディービルダーの佐藤氏が「正座をしたときにふくらはぎの張り」について疑問を持ったことから始まったトレーニングで、このメカニズムを応用させたものなのです。

加圧トレーニングには、
①空気を送り込むためのチューブを通したベルトを装着し、機械で加圧するタイプ
②ベルトを使って血流を制限するタイプ

の2種類があります。使用する機器は基本的に、有資格者でなければ購入できない仕組みになっています。近年、②のベルトのタイプが出回っていますが、正しい知識がなければけがの恐れがあります。お店でインストラクターの指導を受けるなどして行い、自分で行うのは絶対にやめましょう。後述する「加圧トレーニングのデメリット・注意点は?」で詳しく紹介します。

 

加圧トレーニングの5つの効果

加圧トレーニングの5つの効果

ここで加圧トレーニングを行うとどのような効果があるのかについて紹介します。加圧トレーニングは、男性が筋肉をつけるためにするトレーニングというイメージがあるかもしれませんが、太りにくい体づくりや冷え症、肩こりの改善など、女性に多い悩みの解消にもつながります。ここでは5つの効果について紹介します。

 

①痩せやすい体になる! ダイエット効果

痩せやすい体になる

加圧トレーニングにより大量に分泌された成長ホルモンは、体内の脂肪を分解して血中に流しだすはたらきがでます。ダイエットのポイントとして、脂肪を効率よく燃焼させて基礎代謝を上げることが挙げられますが、加圧トレーニングではまさに脂肪燃焼効率を高め「太りにくい」身体づくりができます。

基礎代謝とは、人間が生きていくために必要最低限のエネルギーです。
運動をしてたくさん汗をかくと「エネルギーを消費した」ような気分になりますよね。でも実は、運動による消費エネルギーはそれほど多くはありません。なので運動したからといって、それ以上に食べたり飲んだりすれば、当然ですが太る原因になります。

 

では、基礎代謝を上げるには、どうしたらいいのでしょうか。その重要な要素が「筋肉を増やすこと」です。筋肉が増えると脂肪が燃焼し、動かない状態でもエネルギーがどんどん消費されることになります。これが基礎代謝を高い状態で、脂肪を燃焼しやすい体質になって太りにくい体になるのです。

 

②成長ホルモンの分泌で若返り効果!

成長ホルモンの分泌で若返り効果!

前述しましたが、加圧トレーニングを行うと、普段の約290倍の成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンには、水分を保つコラーゲンといったタンパクを生成・促進したり、弾力性を保つヒアルロン酸など多糖類の生成を促すはたらきがあります。肌のハリ・ツヤを取戻し、脂肪が付きにくい体にしてくれるのです!

成長ホルモンの分泌量は、20歳くらいをピークにその後は減少していきます。若い人の肌がみずみずしく弾力性があるのは、成長ホルモンが十分に分泌されているからなのです。効率よく成長ホルモンを分泌できる加圧トレーニングは、肌を内側から若返らせることのできるトレーニングといえるでしょう。

 

③低負担・短時間で筋力アップ!

低負担・短時間で筋力アップ!

加圧トレーニングは上半身、下半身合わせて1回あたり30分程度。比較的短時間で、体への負担も少なくて済むので、ケガのリスクは通常のトレーニングよりも少なく、老若男女問わず実践できるのがメリットです。他のトレーニングで挫折した人には特におすすめです。

 

④冷え性や肩こりに! 血流が良くなる

冷え性や肩こりに!血流が良くなる

加圧と除圧を繰り返すことで血流が促進され、継続することで血管が太くなっていきます。新陳代謝が活発になり、血管に弾力がよみがえるので、冷え症や体の不調の改善にもつながります。
血流が悪いことによって起こる不調の代表例として、肩こりが挙げられます。

加圧トレーニングで肩こり改善のストレッチをする際には、腕に加圧ベルトを巻いて行います。血流が一時的に制限され腕に血流と乳酸がたまったところでベルトを外すと、制限されていた血流と乳酸が勢いよく流れていくので、血流が滞っていた毛細血管にも行きわたります。

 

⑤怪我の回復力が上がる!

怪我の回復力が上がる!

加圧トレーニングによって、骨折や肉離れ、ねんざなどのけがの回復が早くなるという効果もあるようです。これは、成長ホルモンによって修復が早まるためと考えられています。
骨の同化作用も促進されますので、骨粗しょう症の改善・予防にも効果を発揮します。

 

加圧トレーニングのデメリット・注意点は?

加圧トレーニングのデメリット・注意点は?

低負荷で手軽にできるのが加圧トレーニングの魅力ですが、実は注意しないと簡単に怪我をしてしまう危険性もあります。「自宅で自分でできないの?」と思う方もいるかもしれませんが、おすすめできません。

血圧は、人によって異なります。そのため適切な圧力には個人差があり、誤った方法で行うと心臓に影響したり、貧血になったり、血栓ができてしまうこともあります。また、ケガをする恐れもあります。 正しい圧でベルトを巻き、正しい知識を持った加圧インストラクターの指示のもとで、自分に合ったエクササイズを行うことが大切ですし、効果も得られます。

近年では、自分でもできる簡易なベルトも販売されていますが、知識がない状態で間違ったトレーニングを行うとケガなどにつながることもありますので、やめましょう。
また、加圧トレーニングは、認定資格施設だけが提供できるサービスです。お店を選ぶときには「加圧インストラクター」の資格を有しているところを選びましょう。

 

無理なく続けたい! 効果が現れるまでの期間は?

効果が現れるまでの期間は?

加圧トレーニングは、1回あたり30分程度で、週に2回ほど通うのがベストです。日を空けずに連続で行うよりも、2、3日おきましょう。筋繊維が太くなるためにはたんぱく質の同化作用が生じなければならず、それが行われるのは筋刺激が与えられてから48~72時間かかります。その間は、筋肉を安静に保つ必要があるためです。

また、トレーニングをするだけでなく、食事、睡眠を含めた3つがそれぞれ良質であることも、効果を高めるためには必要な条件です。

 

効果が出るタイミングは、個人差があるので一概には言えません。筋肉が生まれ変わるのは3カ月~半年と言われているので、その期間を目安に効果を判断してみるといいでしょう。
加圧トレーニングをする、イコール痩せるわけではありません。あくまでも、太りにくい体づくりにはこれだけの期間がかかるという点にご注意ください。

 

トレーニングの後の食事で気をつけること

トレーニングの後の食事で気をつけること

加圧トレーニングをした後の食事で気を付けるべきことは、直後の2時間は炭水化物を食べないほうがいいということです。炭水化物は特に糖質が含まれているので、脂肪よりも先に燃焼が始まってしまいます。そのため糖質を枯渇させた方が脂肪が燃料しやすくなるのです。一方、肉や野菜、プロテインなど筋肉をアップする食べ物は2時間以内でもOKです。

実際には、トレーニングの直後はあまり食欲がわかないという方も多いようです。無理して食べる必要はありません。ただし、水分補給は十分に行いましょう。

 
◆

「筋力アップ」と聞くと、ハードなトレーニングをイメージしがちですが、加圧トレーニングは激しい運動をすることなく基礎代謝を上げられるので、過去にハードなトレーニングで挫折した人や、いろいろ試したものの、冷え症や肩こりが改善しなかったという方におすすめです。
ただし、市販のベルトを購入して、自分で安易にやるのはけがの元です。有資格者のインストラクターがいるお店で指導を受けながら、正しい方法で行いましょう。※加圧トレーニングは、KAATSU JAPANの登録商標です。

 
プロフィール

ボディエンス
小沼裕介 代表トレーナー

 

大手エスティックスポーツ事業部に17年間の勤務を経て、加圧トレーニングを行うパーソナルスタジオ「ボディエンス」をオープン。食事指導からダイエット、肉体改造など幅広くサポートしている。

 

ボディエンス・センター南店
http://www.bodience.com/
横浜市都筑区茅ケ崎中央48-11 ミオカステーロセンター南201

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