普段のお掃除に欠かせない洗剤には、汚れによって得意不得意があることを知っていますか?用途を間違えると効果が弱まったり、家具を傷つけてしまったり、手荒れの原因にもなります。そこで、洗剤の種類、酸性・アルカリ性の洗剤について、使い方の注意点をご紹介します。
- [ 目次 ]
- 酸性・中性・アルカリ性?洗剤には種類がある!
- 洗剤にはどんな種類があるの?
- – 酸性洗剤とは(弱酸性pH1~3・酸性pH3~6)
- – 中性洗剤とは(中性pH6~8)
- – アルカリ性洗剤とは(弱アルカリ性pH値8~11・アルカリ性pH11~14)
- 台所用?食器用?酸性洗剤・アルカリ性洗剤では落とせる汚れが違う!
- 酸性洗剤はどんな汚れに強い?使い方の注意点は?
- – 頑固な黄ばみや水あかには酸性洗剤が効く
- クエン酸では酸性?代用できる?
- アルカリ性洗剤はどんな汚れに使えばいいの?
- – ギトギト油汚れには断然アルカリ性洗剤が強い
- 重曹など、洗剤以外のものでも代用できる?
- 酸性・アルカリ性洗剤で共通して注意すること
- まとめ
酸性・中性・アルカリ性?洗剤には種類がある!
洗剤には種類があり、その種類によって落とせる汚れも変わってきます。「洗剤を使っているのに汚れがキレイに落とせない!」という場合は、洗剤の種類が間違っているのかもしれません!そこで、お掃除効率アップのために覚えておきたい洗剤の種類と注意点について詳しく説明します。
洗剤にはどんな種類があるの?
洗剤は「液性」によって酸性・中性・アルカリ性という風に分けることができます。それらはpH値という酸やアルカリの度合いを示す0から14の数値によって決まっています。洗剤のパッケージには、その洗剤がどの「液性」に属しているのかを示す欄があるので、酸性やアルカリ性等は自分で判断せず、必ず表示を確認しましょう!
酸性洗剤とは(酸性pH0~3・弱酸性pH3~6)
酸性洗剤には酸性と弱酸性があります。トイレの洗剤の一部や洗濯用の漂白剤等が酸性です。また、最近ではボディソープなどで弱酸性をうたった商品がありますね。酸性も弱酸性も水あかや黄ばみをはじめとしたカルシウムやタンパク質の汚れに効果的です。
中性洗剤とは(中性pH6~8)
中性洗剤は界面活性剤を含んでいるものが多く、汚れを浮き上がらせて落とす食器洗い洗剤やおしゃれ着用の洗剤、お風呂洗いの洗剤などが代表的といえます。この記事ではガンコな汚れ対策を紹介するので詳しくは触れませんが、手や肌に比較的やさしく、洗うものの素材も傷めにくいのが特徴です。
アルカリ性洗剤とは(弱アルカリ性pH値8~11・アルカリ性pH11~14)
アルカリ性洗剤には弱アルカリ性・アルカリ性の2種類があって、pHが高いほどアルカリ性が強く、ギトギトの油汚れにも強いといえます。
台所用?食器用?
酸性洗剤・アルカリ性洗剤では落とせる汚れが違う!
酸性洗剤はお風呂の洗剤のつけ置きタイプのものやトイレの洗剤、洗濯用の漂白剤などがあります。
そして、お風呂のカビ取り剤や髪の毛を溶かすような粘性の高い洗剤、キッチン用の漂白剤は実はアルカリ性だったりします。
ひと口に漂白剤といっても、用途によって汚れの種類が違うので洗剤の液性も違うんですね。
酸性洗剤はどんな汚れに強い?使い方の注意点は?
頑固な黄ばみや水あかには酸性洗剤が効く。特徴と使用時の注意点
酸性洗剤は、人体から分泌・排泄された汗や体液などの成分や組織による黄ばみ、その他にも水あかのようなカルシウム(カルキ)による汚れが得意といえます。
頑固なよごれには塗布した後に時間を置くことなども効果的ですが、必要以上に時間をおいてしまうと、表面が灼けたように色あせてしまったり、素材を傷めてしまったりするので注意しましょう。
金属部分を傷めてしまうこともあるので、トイレ用の酸性洗剤では温水洗浄ノズルには塗布しないように気を付けましょう。使用時には、ゴム手袋やマスクをすることが必要です。
クエン酸は弱酸性?洗剤の代わりに使える?
クエン酸は弱酸性なので油汚れが「劇的に落ちる」ということはあまりないかもしれません。だけど、自然界にもある成分なので、環境にやさしく、人体にも優しい点はメリット。そこで、「クエン酸スプレー」にするのがいいでしょう。
作り方は500mlに対しスプーン2杯程度のクエン酸を入れてスプレーボトルなどに入れるだけ。フローリングを掃除する際に使ったり、トイレのにおい対策、カーテンやクッションなどのリネンにスプレーしたりすることで、除菌や消臭の効果が期待できます。赤ちゃんやペットがいる家庭にもおすすめですよ。
アルカリ性洗剤はどんな汚れに使えばいいの?
ギトギト油汚れには断然アルカリ性洗剤が強い
アルカリ性洗剤は油汚れに強いので、ガスコンロや換気扇の中など、キッチンの油がこびりついた箇所に特におすすめです。頑固な汚れにはつけ置き等も効果的です。
pH値が高いため、アルカリ性の洗剤を素手で使うと指紋を溶かしたり、肌荒れしたりすることがあるので注意が必要です。
アルカリ性の洗剤を使うときも、ゴム手袋などをして肌に直接触れないよう注意しましょう。カビ取り剤などの使用時はゴーグルやマスクも必要です。もちろん、つけ置きする場合もきちんと時間を守りましょう。
重曹など、洗剤以外のものでも代用できる?
弱アルカリ性洗剤は重曹でも代用できます。クエン酸と同様に環境や肌にやさしいので、ギトギト油汚れの落ちはあまり期待できないかも。その分、塗装してあるものや表面がつるつるした素材を傷つけにくいため、エアコンの表面や換気扇のレンジフードなどには使えます。茶しぶなどのしみ汚れやふきんのつけ置きといった、食べものや口に触れる可能性があるものの汚れを落としたいときにもおすすめです。
酸性・アルカリ性洗剤で共通して注意すること
市販の洗剤でも、酸やアルカリの強いものの取り扱いには注意が必要です。
例えば、お風呂のパイプのニオイやつまった髪の毛を溶かすためにアルカリ性の洗剤を使用した後に、酸性のお風呂用洗剤で浴槽を洗うなどをしてしまうと有毒なガスが発生することがあります。
まずは他の洗剤と混ぜて使わないこと。必ず換気をして、締め切った環境では使用しないことに注意してください。ゴム手袋やマスク、ゴーグルなども着用してから使いましょう。
万が一、目や口に入ったときはすぐに洗い流して医療機関で受診してください。
そして、何より大切なのは、使用する前にパッケージの使用上の注意をよく読んでそれに従って使うということです。
洗剤を効果的に使うには「液性」をチェックすることが重要です。油汚れは酸性なのでアルカリ性の洗剤で中和することで汚れが落ちます。対して、人体からの分泌物はアルカリ性のものが多いので、酸性洗剤を使うのが効果的なのです。
そのことを理解しておくと、洗剤の選び方が変わりそうですね。汚れや洗剤の特性を理解して、ごしごしこすらなくても効率的に汚れを落とせるお掃除上手になりましょう。