誰もが気になる将来の「お金」のこと。本連載はその不安や疑問について、働く女子マネ子が、お金を積み立てさせたら日本一と評判の積立王子こと、セゾン投信の中野晴啓社長と一緒に考えます。今回は、つみたてNISAについて紹介します。
マネ子(30歳・独身)
「将来のために貯金しなきゃ」と、漠然と感じているが、社会人になって一人暮らしを始めてからなかなか貯められずにいる、働く女子。
マネ子 前回のお話から、iDeCo(イデコ)は「自分の将来の年金作り」と思って始めたのですが、やはりそれだけでは不安です。
中野 イデコと合わせて運用するのにおすすめなのが、つみたてNISAです。コツコツ貯金が得意な女性には、特に向いている積み立て方法だと思います。
マネ子 イデコと同様、通常の投資で得た利益に対し約20%かかる税金が非課税になるんですよね!
中野 そうです。国民に自分で自分の年金を作ってもらうためにととのえられた制度ですから、資産運用が初めての方でも利用しやすくなっています。長期投資なので、早く始めるほどお得ですよ。
つみたてNISAについて紹介する前に、「一般NISA」との違いについて簡単に説明しましょう。いずれも非課税制度ですが、一般NISAは年間の投資枠は120万円までで非課税期間は最長5年間なので600万円、つみたてNISAの年間投資枠は40万円で非課税期間が最長20年間ですので800万円がそれぞれ優遇されます。
一般NISAとつみたてNISAを併用することはできないので、トータルの非課税対象になる金額を比較してみると、どちらかを始めるならつみたてNISAがおすすめです。
つみたてNISAは、少額から運用を始められる投資信託が対象です。始めるには、まずは口座開設をします。証券会社や銀行などの金融機関などでできますが、各金融機関によって取り扱っている商品が異なります。いきなり金融機関に駆け込むのではなく、「どの商品を運用したいか」を決めてから、その商品があるところを選択しましょう。
選択できる投資信託は全部で150本ほど。ネット証券ではほぼすべてそろっていますが、実店舗で全部そろえているところはありません。メガバンクでも、多くて10本くらいでしょう。
また、つみたてNISAで選べる約150本の投資信託は、6000本ほどある中から金融庁の基準を満たした、いわば「お墨付き」のものです。皆さんが安心して資産運用できるように、厳選された投資信託が用意されている制度ですから、ぜひイデコと合わせて利用しましょう。
次回は、つみたてNISAについてさらに詳しくご紹介します。
「積立王子」こと
セゾン投信
中野晴啓 代表取締役社長
1987年に大学卒業後、アパレル業に従事したいとの思いでセゾングループに入社するが、入社3日後に金融運用会社に配属される。16年間ファンドマネージャーを務め、2006年にセゾン投信を設立。年間150回に上る講演を行っており、メディアにも引っ張りだこ。