リンゴの持っている効果・効能!リンゴ成分で美味しく健康に

FOOD & GOURMET

2018.10.01
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イギリスには「1日1個のリンゴは医者いらず」ということわざがあるほど、リンゴには体に良い成分がたくさん含まれています!特にリンゴポリフェノール、リンゴペクチンが血糖値上昇の抑制やコレステロール値の低下などをもたらします。具体的な効果、効能についてご紹介します!

リンゴの効果、効能って?
どんなことを期待できる?

りんごを食べる人

リンゴは単に美味しいだけでなく、実は生活習慣病の予防に効果があります。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所が2016年に発表した論文によると、具体的な効能は以下6つです。

・脂質の代謝、整腸作用
・脂肪蓄積の予防
・血糖値上昇の抑制
・コレステロール代謝の制御
・抗アレルギー作用
・腸内環境の改善

参考:庄司俊彦氏「リンゴポリフェノールの健康機能性とその活用」
農研機構「リンゴペクチンの機能性の解明」

これらの効果をもたらすのは、リンゴ特有の成分「リンゴポリフェノール」と「リンゴペクチン」です。リンゴポリフェノールとリンゴペクチンと、それぞれの具体的な効能についてご紹介します。

リンゴポリフェノールとは?
リンゴが健康に良いとされる成分について

運動のイメージ

ポリフェノールとは、植物が身を守るために持つ分であり、抗酸化物質のことを指します。リンゴポリフェノールは特に、プロシアニジンを多く含んでいることが大きな特徴です。プロシアニジンがどんな機能を持っているのか、詳しくご紹介します。

リンゴポリフェノール、プロシアニジンとは
プロシアニジンとは、実は緑茶に含まれていることで知られる「カテキン」が複数組み合わさったものです。そのはたらきについて紹介します。

①抗酸化力が高い
プロシアニジンは、ポリフェノールの中でも特に抗酸化力が高いとされています。ポリフェノール自身が酸化されることで、活性酸素を消したり、遅らせる作用があります。
抗酸化力が高いものを食べることで、人にどう効果があるかははっきりとは分かっていません。ただ、人は酸素を使ってエネルギーを作り出す際に活性酸素が発生するため、体内の脂質やDNAなどが常に酸化のストレスにさらされていますが、通常は活性酸素を消去する酵素のはたらきで体を守っています。この活性酸素を消去する酵素のはたらきは年齢を重ねるごとに衰えていきますが、プロシアニジンなどのポリフェノールを摂ることで、活性酸素を消去するのを助けてくれるのでは、と言われています。

②脂肪吸収を抑制する
食事に含まれる脂肪は、小腸の中でリパーゼという酵素で分解されてから身体に吸収されます。プロシアニジンには、リパーゼのはたらきを抑える効果があるので、脂肪が分解されにくくなるのです。なので、脂肪分が含まれる食材をリンゴと一緒に食べると、脂肪分の分解を軽減し、腸で吸収されずに、そのまま排便できるのです。
お肉と一緒にリンゴを食べたり、食事の前にリンゴを取れば、脂肪の吸収を抑えることが期待できます。

実際に、太り気味の方がリンゴポリフェノールを3か月間摂取した研究では、リンゴポリフェノールを摂取しなかった人に比べて体脂肪が減少したという結果が出ているそうです。

③血糖値上昇を抑える
食事に含まれるでんぷんを食べると、でんぷんはおなかの中で糖に分解されて吸収されますが、プロシアニジンには、このでんぷんを分解する酵素のはたらきを抑える効果があります。なので、食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。
またリンゴに含まれるフロリジンというポリフェノールにも血糖値を下げる効果があると言われています。

④コレステロール代謝の制御
コレステロールを多く含むエサを与えたラットに、リンゴポリフェノールを一緒に与えた研究では、リンゴポリフェノールを与えていないラットと比べて血中のコレステロール値が低く抑えられるという報告があります。リンゴポリフェノールを与えたラットの肝臓ではコレステロールを分解する遺伝子のはたらきが上昇していたことから、リンゴポリフェノールにはコレステロールを下げるのを助けるはたらきが期待されています。

リンゴの成分が腸内環境の改善にも!
リンゴペクチンの効果

リンゴには「リンゴペクチン」という成分が含まれています。主な効果として腸内環境の改善があるとされています。具体的にご紹介します。

リンゴペクチンが腸内環境を整える!

腸内環境

善玉菌であるビフィズス菌が、ペクチンを食べることで、腸内のビフィズス菌を増やしてくれるとされています。ペクチンは、悪玉菌が食べることはできませんが、善玉菌が食べることができるので、善玉菌が増えやすくなり、腸内環境が整いやすくなります。

このほかにも、コレステロール値を下げたり、水溶性の食物繊維なので、食材に含まれる糖の吸収を抑える効果もあると言われています。

リンゴの効果を余すことなく食べる!
特に多く含まれるのはあの品種

りんご

さまざまな効果を持つリンゴポリフェノールは、特に皮に多く含まれており、果肉の4倍にもなると言われています。また、熱を加えたり酸素に触れたりするとポリフェノールが分解されていってしまいます。皮付きのまま生で食べるのがおすすめです。

また、リンゴには国内、海外含めさまざまな品種がある中で、特にポリフェノールが多く含まれているのは「ふじ」。ジョナゴールドも世界的に比較してポリフェノールを多く含んでいますが、ふじはジョナゴールドの1.5倍もポリフェノールが豊富と言われています。

リンゴ1個は約300gで、100gあたりに含まれるポリフェノールは約200㎎。食べる分量の目安としては、1日1個が理想的です。

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まとめ
リンゴには抗酸化力や脂肪吸収を抑えるなど、さまざまな研究結果が報告されています。お肉が好きだけど脂肪が気になる方は、食前、または食事中にお肉と一緒にリンゴを取ることで、余分な脂肪分を取り込むのを防ぐことが期待できそうです。生のまま皮ごと食べる機会を増やしたいですね。

お話をうかがった方

中島翔平さん

アサヒカルピスウェルネス株式会社
商品開発部
企画開発グループ
副課長
中島翔平さん

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