夏になると活発になる主婦の敵、ゴキブリ! 殺虫剤を使って駆除しても、根本的な対策をしないと翌年も発生してしまいます。実は春と秋の対策が重要ということを知っていますか? 今回は具体的な対策、退治方法からおすすめの殺虫剤までご紹介します。
※この記事には、ゴキブリの画像やイラストは掲載していませんので、安心してご覧いただけます。
- [ 目次 ]
- 1年を通して必要なゴキブリ対策。その理由は?
- ゴキブリ対策 1年中発生させないためのコツ3つ
- 春と秋のゴキブリ対策!置きエサ殺虫剤で幼虫と卵を駆除
- – 春は繁殖機能を持っていないため「増やさない」ためには大切な時期
- – 秋は侵入経路を塞ぐ!ゴキブリの侵入経路はココ
- – 季節によって殺虫剤を変えた方がいいの?おすすめの殺虫剤は
- – 置きエサ殺虫剤の効果的な配置はココ!
- 冬のゴキブリ対策! 大掃除は家電付近をしっかりと
- – 冬のゴキブリは暖かいところに住みつく
- 殺虫剤が効かない?ゴキブリの卵の特徴と掃除方法について
- – 卵をどんなところに産みつけるのか
- – 卵にも効果のある殺虫剤は?
- ゴキブリの対策はこまめに、徹底的に!
- – 1年を通して発生させないポイントは、春、秋の対策がコツ
- – 夏は殺虫剤、燻煙タイプ、置きエサで徹底的に駆除
- – ゴキブリが危険な菌やウィルスを持っていることも! 駆除後は消毒を
- まとめ
1年を通して必要なゴキブリ対策。その理由は?
春は気温が高くなって発育が早まるため、多くの昆虫が増加する季節です。一方、夏に成虫となり産卵された卵から孵化し、幼虫をよく見かける時期が秋です。岐阜では秋がゴキブリのピークとした論文があり、地域によってピークの季節が異なるといえます。どの季節が、ということではなく、基本的には1年中、対策が必要な害虫です。
ゴキブリ対策 1年中発生させないためのコツ3つ
1年を通して「見ない」「発生させない」ということがやはりベスト。とにかくできることなら見たくない。ゴキブリ対策のポイントは次の3つです。
1. 置きエサ殺虫剤をおく
紙で組み立てるゴキブリ捕獲器はゴキブリがいるかどうかの確認はできますが、根本的な退治は難しいものです。ゴキブリは1匹いたら100匹いるともいいます。置きエサ殺虫剤(毒餌剤)をメインに使うのが適切です。
2. 侵入経路をふさぐ!
排水口から上がってきたり、換気口、窓やドアなどから侵入します。まずは、侵入口をふさぐこと。そして、排水口には生ごみを放置しないことも重要です。
3. 食べものを置きっ放しにしない
ゴキブリは糖分を含んだ水が特に好き。甘いジュースの飲み残し、飲んだ後の缶、ペットボトルなど、ゴキブリがなめるような物は置かないようにしましょう。
春と秋のゴキブリ対策!
置きエサ殺虫剤で幼虫と卵を駆除
置きエサ殺虫剤はエサを食べたゴキブリだけでなく、周りのゴキブリや卵にも効果を発揮するものがあります。置きエサ殺虫剤は古くなったら交換するというのを繰り返し、常にセットしておくようにしましょう。
春は繁殖機能を持っていないため「増やさない」ためには大切な時期
春のゴキブリはまだ成長段階のため、生殖能力を持っていません。夏は、春に生まれたゴキブリが成虫となります。
秋は侵入経路を塞ぐ!ゴキブリの侵入経路はココ
秋には成虫だけでなく幼虫も多い時期で、冬は、卵や幼虫のまま越すとされています。秋は越冬の準備で侵入するため、家の侵入経路を塞ぐことは効果的といえます。最近では、待ち伏せタイプのスプレーも多く販売されているので、玄関や窓のサッシ周辺にスプレーしておくのも有効です。
季節によって殺虫剤を変えた方がいいの?おすすめの殺虫剤は?
季節によって殺虫剤を変える必要はありません。置きエサ殺虫剤では、フィプロニル含有毒餌剤(ベイト剤)が最も効果的で、卵などにも効果を発揮します。次に、ヒドラメチルノン含有毒餌剤、そして、ホウ酸含有毒餌剤です。いずれも幼児やペットが舐めないように注意しましょう。
置きエサ殺虫剤の効果的な配置はココ!
置きエサ殺虫剤、どこに置けばいいのか、迷うことがありますよね。ゴキブリは水分を求めて水のあるところに来ます。そのため、基本的には水回りがいいでしょう。洗面所や浴室、洗濯機の近くなどの排水口付近、台所シンク下の暗い場所や隙間に、数カ所置くと効果的です。
冬のゴキブリ対策!
大掃除は家電付近をしっかりと
年末の大掃除は、家をキレイにするついでにゴキブリの住みにくい環境を作ることが大切です。
・冬のゴキブリは暖かいところに住みつく
ぬれている場所、ぬれやすい場所にゴキブリは寄ってきます。まずは、洗面所や浴室、台所周辺等を清掃するといいでしょう。他には、段ボール、古新聞、雑誌などを積み重ねた場所も住み家となります。電気の熱であたたかくなる家電の周辺も要注意。また、食品、生ゴミはかじれる状態で置いてあると、当然、エサを与えていることになります。これらの片付けや整理がとても重要です。
殺虫剤が効かない?
ゴキブリの卵の特徴と掃除方法について
冬場のゴキブリ対策では家電周辺や段ボール等の掃除がキモです。あたたかい場所には、越冬のため集まってきたり、卵を産み付けてたりしている可能性があります。卵の外殻はとても頑丈なため薬が行き届かなければ効果もないんです。まずは、どんなところに卵があるのか?そこから知っていきましょう。
[ 卵をどんなところに産みつけるのか ]
暗い場所、物が多くある場所、押し入れなどが多いです。がま口財布状の黒色の塊があったら、それはゴキブリの卵鞘(卵の塊)かも。見つけるのは難しいですが、もし見つけたら、手やガムテープ等で取って捨てましょう。孵化してしまうと幼虫があちこちに出没し、退治が難しくなってしまいます。
[ 卵にも効果のある殺虫剤は? ]
ゴキブリ用エアゾール剤では、イミプロトリンという成分含有の商品がより効果が高いといえます。イミプロトリンは現在販売中の多くの商品に入っていますが、噴射力が強く、隙間からより遠くへ噴射できるものが特におすすめです。
ゴキブリの対策はこまめに、徹底的に!
1年を通して発生させないポイントは、春、秋の対策がコツ
1年中、現れるゴキブリですが、増やさないためには、春と秋の対策をしっかりするというのがコツの一つです。夏から秋の初めにかけては燻煙剤も効果的といえます。ですが、燻煙剤は卵には効かない場合もあるので、2回使うとより効果的です。1回目に使用した2~3週間後、卵が孵化したころに2回目を行うのがいいでしょう。また、しばらく部屋を不在にする際も、燻煙剤を使用するといいと思います。その際は、火災報知器にカバーをかけておくことなどの注意が必要です。飼っているペットを隔離するのも忘れないようにしましょう。
夏は殺虫剤、燻煙タイプ、置きエサで徹底的に駆除
シーズンを通して行える対策として、生ごみやペットのエサを放置しない、日頃から風通しをよくし、すみずみまで掃除するという方法があります。しっかりと対策すれば、見かける頻度はグッと減りますので、ぜひ試してみてください!
ゴキブリが危険な菌やウィルスを持っていることも! 駆除後は消毒を
ゴキブリを駆除した後は念のため、ゴム手袋をしてアルコール等で消毒しましょう。サルモネラ菌などの菌や、ウィルス等を持っている可能があります。
ゴキブリ対策として有効なのは、とにかく家の中の風通しをよくして整理整頓をし、清潔に保つこと、食べものを放置しない、置きエサ殺虫剤を置くことといえます。まずは、できることから実践して、ゴキブリが寄り付かないお部屋作りをしてはいかがでしょうか。
お話をうかがった方
有限会社モストップ 取締役
害虫防除技術研究所 所長
白井良和さん
京都大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修了。京都大学農学部昆虫学研究室で農業害虫を研究、殺虫剤メーカーでゴキブリベイト剤の開発に携わった後、富山医科薬科大学大学院医学系研究科に在籍し、蚊の誘引に関する研究で医学博士号を取得。害虫防除技術研究所を2001年に設立。害虫駆除会社にて、ゴキブリ、ネズミ、ハチ、蚊などの害虫・害獣駆除に従事し、有限会社モストップを2003年に設立。蚊をはじめとする害虫忌避剤、蚊捕獲器の評価試験や、出版、各メディアへの情報提供を行っている。著書に『蚊の対策がわかる 蚊の教科書』『蚊のチェックポイント71』、共著に『蚊のはなし』などがある。
モストップ http://mostop.co.jp/
害虫防除技術研究所 http://www.gaityu.jp/