砂埃や花粉、排気ガスなどで汚れる窓ガラス。ゴシゴシこすらないと窓はきれいにならない? 窓掃除は大変で面倒と考えていませんか? 道具とコツさえ覚えれば、力を入れず簡単にきれいにできます。窓掃除がラクになるコツを紹介します。
- [ 目次 ]
- 窓の汚れの原因に着目!使うのはセスキ炭酸ソーダ? クエン酸?
- – 窓の場所によって汚れの種類は違う!
- – 重曹は水に溶けにくい!窓の油汚れにはセスキ炭酸ソーダがおすすめ
- – セスキ炭酸ソーダはなぜいいの? 意外と意識していない洗剤の有害な成分
- 窓掃除を簡単にするコツは3つ! ゴシゴシしないでピカピカに
- 窓掃除の道具をご紹介! つかれない窓掃除のすすめ
- – 手あかやキッチンまわりの窓は油汚れがメイン。セスキ炭酸ソーダが有効!
- – アルカリ性の汚れにクエン酸! 水あかのうろこ汚れに効果あり
- – シャンパー・スクイージーってなに?
- – スクイージーの水分をふき取るためのぞうきんも忘れずに
- 窓掃除の順番は? ゴシゴシしない楽ワザを使って簡単に
- – まずは網戸をきれいに! 雨の日には網戸を洗う
- – 簡単!つかれない窓掃除のコツ!
- – 仕上げにサッシの溝や窓レールを掃除! 道具はパンのアレが便利
- 窓掃除に適した時期は?
- 窓拭きの定番の新聞紙やマイクロファイバーぞうきんは?
- – 新聞紙のメリットとデメリットとは?
- – マイクロファイバーぞうきんとは?
- まとめ
窓の汚れの原因に着目!
使うのはセスキ炭酸ソーダ?クエン酸?
窓の場所によって汚れの種類は違う!
窓拭きを簡単にするには、まず、汚れの性質を知りましょう。窓の汚れといっても、実は1種類ではないんです。キッチンの窓の内側や排気ガスが触れる窓の外側は油汚れが、一方、洗面所の窓や排気ガスが当たらない窓で水あかが多く付着している場合はアルカリ性汚れである可能性があります。 油汚れは汚れ自体が酸性の性質を持っているため、アルカリ性の性質を持つもので中和して落とすのが基本です。水あかはカルキなどのカルシウム成分が乾いて固まったアルカリ性の汚れであるため、酸性のクエン酸が落ちやすいといえます。洗剤の性質は次の図を参考にしてくださいね。
重曹は水に溶けにくい!窓の油汚れにはセスキ炭酸ソーダがおすすめ
ガスコンロや鍋などの油汚れに重曹は有効です。それは水に溶けにくい性質であるため、みがき粉のような役割も果たしてくれるからなのです。ところが、窓掃除の場合にはそれがネックとなります。水に溶け残った粒子が、窓に目に見えないほどの細かい傷をつけてしまうことがあるからです。そのため、窓掃除で使うなら、重曹ではなくセスキ炭酸ソーダがおすすめ。スプレーボトルに小さじ1/2程度のセスキ炭酸ソーダを入れてよく振って溶かせばOKです。
もし、セスキ炭酸ソーダがない場合には、中性洗剤が使えます。その場合はスプレーボトルに水を入れて中性洗剤を2~3滴ほど垂らしてスプレーを作りましょう。
セスキ炭酸ソーダはなぜいいの? 意外と意識していない洗剤の有害な成分
もっとも安全な洗浄剤は純水といえます。中性洗剤も安全性が高い方ではありますが、「除菌ができる」「さっと流せる」「油汚れに強い」などと、うたうごとに薬品や添加物が追加されていることを忘れずに!
洗剤には「〇〇の香り」という香りつきのものが多くありますよね。使用時にその香りをかいでいる時点で、香りと一緒に洗剤に含まれる有害な成分も体に取り込んでしまっているのです。その点、セスキ炭酸ソーダ(重曹)やクエン酸などは自然界にある成分なので、人の体にも環境にも優しく安全性が高いといえますよ。
窓掃除を簡単にするコツは3つ!
ゴシゴシしないでピカピカに
窓掃除を簡単にするには、ポイントは3つです。
①使うものはセスキ炭酸ソーダスプレーやクエン酸、シャンパー、スクイージー
②掃除の順番は網戸→窓ガラス→サッシのレール
③力を入れてゴシゴシこすらない
道具は、後述するシャンパーやスクイージーのような持ち手のあるものを使うと、均等に力が入るため磨き残しも少なく簡単にきれいになります。体がつかれない程度の力加減で気楽にやりましょう。それぞれのポイントについて詳しく解説してきます。
窓掃除の道具をご紹介!
つかれない窓掃除のすすめ
窓掃除に使うものは、以下がおすすめです。100円ショップで買えるものや家にあるもので代用できる道具もあるので、参考にしてみてくださいね。
①セスキ炭酸ソーダ ホコリ、ヤニ、排気ガス、花粉などに効果あり
②クエン酸 水あかなどに効果あり
③スクイージー・シャンパー(スポンジでも代用可)
④タオルやぞうきん
手あかやキッチンまわりの窓は油汚れがメイン。セスキ炭酸ソーダが有効!
窓の汚れの多くは酸性の汚れであることが多いです。前述しましたが、セスキ炭酸ソーダを水に溶かしてスプレーにしましょう。
アルカリ性の汚れにクエン酸! 水あかのうろこ汚れに効果あり
水道水の中に含まれるカルキなどのカルシウム成分やマグネシウム成分が固まった水あかの汚れにはクエン酸が効果アリ。こちらもスプレーにして使いましょう。
シャンパー・スクイージーってなに?
シャンパーはT字型の持ち手にタオルのようなものがついた道具です。ホームセンターなどで販売しています。普段は、やたらと道具を買うことを推奨しないのですが、持ち手のあるシャンパーを使うと均等に力が入るため、洗い残しが少なく、簡単にきれいになります。スポンジなどで代用することもできますが、体の負担はシャンパーの方が軽くなるためおすすめしています。
スクイージーは水分を除去するための、ゴムのついたT字型のワイパーのような道具です。100円ショップでも手に入れることができますが、耐久性を考えるとホームセンターなどに売っているものの方が長く使えるのでコストパフォーマンスは高いといえます。
スクイージーの水分をふき取るためのぞうきんも忘れずに
窓掃除の作業でなにより重要なのが水分の除去です。完全に乾かすために、水分を集めたスクイージーはその都度、ぞうきんで水気を拭き取って使いましょう。
窓掃除の順番は?
ゴシゴシしない楽ワザを使って簡単に
窓掃除なんて考えるだけで面倒だと思っているのは、力を入れてこすらないときれいにならないと思っているからでは? 体に負担を掛ずつかれにくい窓掃除の具体的な方法をご紹介します。
まずは網戸をきれいに! 雨の日には網戸を洗う
最初に網戸から掃除しましょう。新聞紙を網戸の内側にテープなどで貼って、掃除機(できればハンディクリーナー)で乾いた状態のままでほこりを吸い取ります。洋服のエチケットブラシやペンキ用の刷毛でほこりを落としながら掃除機で吸い込んでも簡単に取れます。新聞紙を外します。
洗面器にセスキ炭酸ソーダを大さじ1/2杯程度入れてシャンパーを漬けて、下から上にジグザグにスライドさせながら掃除していきましょう。普通とは逆で、下から上がポイントです。仕上げに乾いたぞうきんなどで水気を拭き取ります。
もっと簡単な裏ワザもご紹介。実は、雨の日にサッシから外して雨にぬれるよう立てかけておくだけで、網戸の汚れは簡単に洗い流せます。マンションや2階3階の場合は落下に注意して行いましょう。
網戸が汚れやすいのは、窓を閉め切っているため、汚れやほこりが溜まりがちな冬。冬場に網戸を使わない家庭は網戸を外してしまっておくのもアリです。思った以上に部屋が明るくなりますよ。
簡単! つかれない窓掃除のコツ!
ここで、窓掃除の手順を解説します。
①はじめにセスキ炭酸ソーダスプレーを窓にまんべんなくたっぷりとかけます。
②シャンパーを小さな円を描くように動かしていきます。このとき、力を入れずに優しく撫でるようにやることがポイントです。
③全体がきれいになったらスクイージーで上から水気を取っていきます。一回スライドさせるごとにぞうきんで拭き取っていくと手早く簡単にきれいになります。
手順はこれだけ。窓だけなら1枚3分以内には終わると思います。あまり気負わず、力を入れず、つかれない程度にやりましょう。
仕上げにサッシの溝や窓レールを掃除!道具はパンのアレが便利
窓のレールを掃除するときに便利なのが食パンを買うと袋に付いているクロージャ―や要らなくなったクレジットカード、プラスッチックのポイントカードなどです。
レールは長いこと放置してしまうと、砂が固まってしまったり、黒カビがくっついていたりしますよね。クロージャ―やプラスチックのカードは角が丸くなっているので、窓のレールなどを傷つけることなくきれいに掃除できます。それがないときは割っていない割りばしなどでもOKです。シャンパーがあれば、それも使えますよ。窓のレールの掃除用具はいろんなものが売っていますが、掃除を楽しくするためには、家にあるものを駆使することも重要です。
窓掃除に適した時期は?
窓掃除もそうですが大掃除に適した時期は実は春から秋までの間といえます。日本では「大掃除は冬にやるもの」というのが定着していますが、実はこれは歴史が浅く、洗剤メーカーが冬の寒い時期にも洗剤が売れるようにお寺などの慣習にならって宣伝に取り入れたものなのです。
冬は水がつめたいため、汚れが洗剤に馴染みにくいこと、手がかじかんだりすることを考えてもあまり大掃除に適した時期とはいえません。海外では、「スプリングクリーニング」という言葉があり、春に掃除をする習慣があります。春なら水温が高いため汚れが落ちやすく、気温も高いため洗ったものもすぐに乾燥できます。日本では、ゴールデンウイークの半日~1日を利用するのがいいですね。
窓拭きの定番の新聞紙や
マイクロファイバーぞうきんは?
新聞紙のメリットとデメリットとは?
窓の掃除といえば新聞紙というのは有名です。でも、実は新聞紙で窓拭きをするのには絶妙な絞り加減が必要。ぬれすぎていると磨いている間にちぎれてしまうし、乾きすぎていると滑りが悪いため、ゴシゴシこすらなければならず大変な力仕事になってしまいます。また、手が黒くなる、新聞を取っていないから家にないということも。
新聞のインクがくもり止めになるというメリットもありますが、最近の窓はくもらない素材のガラスでできているので、無理して新聞紙を使う必要はないかもしれないですね。
マイクロファイバーぞうきんは?
マイクロファイバーぞうきんとは、極細の化学繊維を使ったぞうきん。水分を吸収する力が強いため、じゅうたんにこぼしたジュースを吸収できるとか、繊維が細かいためシンクまわりの掃除でも洗剤を使わずに油汚れを落とすといった力を発揮します。窓掃除に使いたい場合は、新品では使わず、よく洗ってから使いましょう。新品は細かい繊維が窓にくっついてしまい、かえって汚してしまうこともあります。
窓掃除で大事なのはゴシゴシこすらないことです。掃除をするとき、何でもゴシゴシこするクセがついてしまっている方も多いのですが、本当は力を入れてこすらなくてもきれいになります。また、洗濯物を干すとき「物干し竿を拭くついでに」ちょっとだけ窓のレールも拭くといった、ついで掃除やちょこっと掃除もおすすめです。汚れはため込まないことが一番。掃除はつかれない程度に簡単に楽しくやりましょう!
お話をうかがった方
ロハスカタス代表
岡山男性初の1級整理収納アドバイザー
ハウスキーピング協会認定講師
整理ist 佐藤亮介さん
全国で3%しかいないといわれている、男性の1級整理収納アドバイザー。整理istとして、講演会や講座、社員研修などの講師、個人や企業向けのコンサルタント依頼を受けて活動をしている。片付け、整理整頓以外にも、書類のファイリング、掃除、洗濯、防カビ防虫対策のスペシャリスト。日本をもう一度キレイにして子供たちに残していきたい、捜し物のない快適な暮らしや職場環境をサポートしたい、女性の家事を楽にしてあげたい、をモットーとしている。提唱している「整活」「楽ワザ」「エコ技」は、日本人がそもそも培ってきた工夫力やアイデアを生かし、エコでナチュラルな生活の知恵を提案している。メディアにも多数出演。著書:「一生つかえる整理力が3週間で身につく本」(明日香出版)も発売中。
ホームページ:「ロハスカタス」
https://www.lohaskatas.com/
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