積立王子がこっそり教えるおカネが“育つ”レシピ vol.5 「ゼロ金利」が意味することとは

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2018.05.30
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誰もが気になる将来の「お金」のこと。本連載はその不安や疑問について、働く女子マネ子が、お金を積み立てさせたら日本一と評判の積立王子こと、セゾン投信の中野晴啓社長と一緒に考えます。今回は、銀行に預金したときの金利が「ゼロ」であることについて、一緒に考えてみましょう。

マネ子(30歳・独身)

マネ子(30歳・独身)

「将来のために貯金しなきゃ」と、漠然と感じているが、社会人になって一人暮らしを始めてからなかなか貯められずにいる、働く女子。

資産運用の道イラスト

マネ子 はぁ(深いため息)…。

中野 通帳を眺めながらため息なんて、いったいどうしたんですか。

マネ子 なかなかお金が増えないんです。母から、「かつては金利が7%くらいあって、預金しておけば何年後かにはお金が増やせた」と聞きました。 現在の金利は、ほとんど0%なので、うらやましいなと思って。

中野 確かに、今は金利がほとんどゼロです。でも実は今でも、それに代わる方法があるんですよ。

 

預金者は「ありがたくない」存在?

この連載で何度かお伝えしていますが、高度経済成長期には1カ月で3%、1年間で6〜7%の金利が付きました。銀行に預金しておけば、10年後には2倍近くになったほどです。

預金通帳のイメージ

ではここで、かつてなぜ金利が高かったのかを考えてみましょう。

当時、さらなる経済成長を見込んで新たに事業を興す人がたくさんいました。そのためにはお金が必要で、企業に融資するのが銀行の役割でした。

銀行がそのお金をどこから集めていたかというと、人々からの「預金」だったわけです。

だから、預金をしてくれるお客様というのは、銀行にとって非常にありがたい存在。だから高い金利がついたのです。

銀行のイメージ

金利とは、いうなれば、預金者に対する銀行からの「謝礼」のようなもの。金利だけでなく、口座を開設するだけでも、貯金箱や食品用ラップといった、たくさんのおみやげをくれました。より多くの人にお金を預けてほしいから、高い金利やおみやげを付けることで客寄せしていたのです。

では、現在に立ち返って見てみましょう。経済成長が見込めない中で、新規事業を興したい、という人が当時と比べて少なくなりました。これがいわゆる「デフレ」で、日本ではもはや20年も続いてきました。今は前述したような金利はおろか、手みやげもほとんどもらえません。このことが意味するのは、預金が銀行にとって「ありがたいものではない」、つまり預金を求めていないという銀行の意思表示なのです。

人々の「金庫」と化した銀行の機能

金庫のイメージ

金利ゼロにもかかわらず、人々はいまだに預金をしています。ただ、ほとんどの方は、銀行預金でお金が増えることは期待していません。もはや、預金というよりは、「金庫」のように、ただお金を置くためだけに利用していると言えるでしょう。お金が増えなくても、安心してお金を置けるというだけで満足するようになってしまったのです。

新規ビジネスのイメージ

「新規事業を興したい人が少なくなった」と言いましたが、新たにビジネスをしたいと考えている事業主が全くないわけではありません。デフレを背景に、銀行が「貸したお金がこげついて不良債権になるのではないか」という懸念から、融資を渋っているのです。新たな融資先をしっかりと見極める銀行の眼が退化してしまったとも言えるでしょう。

人々が銀行にお金を置かせてもらえるだけで満足してしまっている今日。一人ひとりが、自分の力で、かつての預金に代わることをする必要があります。その方法の一つが投資です。銀行に、融資する機能がほとんどなくなってしまった今日、投資は私たち個人が銀行に代わって、個々の企業などに対して資金提供することなのです。

投資をすることは、日本の経済を支えるという、意義があることなのです

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次回は、インフレとデフレについてお話ししたいと思います。

セゾン投信代表取締役社長 中野晴啓

「積立王子」こと
セゾン投信
中野晴啓 代表取締役社長

1987年に大学卒業後、アパレル業に従事したいとの思いでセゾングループに入社するが、入社3日後に金融運用会社に配属される。16年間ファンドマネージャーを務め、2006年にセゾン投信を設立。年間150回に上る講演を行っており、メディアにも引っ張りだこ。

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